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内容説明
幸い両親はまだ元気だ。しかし、だからこそ今のうちに「その時」の準備をしておきたい。そう考えた著者は取材に出かけた。人気の樹木葬や、都心部の有名霊園に入るにはいくらかかるのか。散骨、宇宙葬、土葬の実態は。葬儀社の良し悪しはどこで見分けるか。時に遺された人たちの死生観にしんみりし、時に「入棺体験」をして悲鳴を上げながら現代日本の「墓と葬式」事情をとことん掘り下げたハウツー・ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
74
現代の墓と葬式事情を取材した薄めの新書。墓石のない樹木葬、霊園と墓石、遺骨をパウダー状になるまで細かく砕いて海に撒く海洋散骨、4つのタイプがある納骨堂、宇宙葬、伝統的な土葬、などお墓をめぐるあり方をルポしている。「土葬」には、遺体が野生の動物に食われないために、槍状の竹を遺体の周りに立てる風習もあるんだな。お墓のない地方出身者には考えるところがあり、読んだ。2025/05/01
おかむら
43
新書サイズでサクサク読める。墓と聞いてイメージする墓地にある石のお墓以外に、最近流行りの樹木葬、海洋散骨、ビルの中のロッカー式納骨堂などのルポ。んでいくらなの?ってのが明確に書いてあるのが良いところ。結局墓を維持するコストは子供に負わせざるを得ないからなー、なるべく経済的負担はかけたくないと切実に思うよいまのご時世。知らなかったのは関東と関西では骨壷の大きさが違うということ。へえ。骨を全部入れるのは関東方式らしい。後半の葬式に関してのアレコレはあんまり参考にならなかったかな。私は直葬&散骨がいいな!2016/03/11
壱萬参仟縁
25
我が家の場合は、第1章のみでよい。母親は常日頃、無縁仏でよいと言っていた。まだ、遺骨は家に置いてある。いつかは、墓に入るのだが、散骨は、遺骨をパウダー状になるまで細かく砕き、海や山に撒く埋葬法(56頁)。自然葬でよいとも母は言っていた。それだけ、嫁ぎ先の墓に入る のが嫌なのだ。非婚化は女性の自由の裏返しだから、男女同権の墓ならば、実家に戻ることが できない理不尽さが嫁にはあることを自覚せねばならないと思う。墓も時代の転換期を迎えている。 粉骨せず撒くのは不法投棄扱いになる(68頁)ので注意が必要だ。 2015/06/25
calaf
6
墓か...これはどうでも良いかも。海への散骨はそれなりにあり得る選択かな?でも陸への散骨は、少なくとも現在の日本では難しいらしい...さらに宇宙葬なんていうのも出てきているのですね!やろうとは思わないけど...希望者は女性が多いらしい...そして葬式は、、、まぁ普通な感じ? 火葬後、東日本では全ての骨を、西日本では一部だけを拾う...そんな違いがあったのか!2015/04/17
ココアにんにく
3
見学ツアーに参加したり、見積もりを複数とったり、棺桶に入ったりと取材による一次情報が多いので、話が入って来やすかった。芸能人の話もイメージしやすい。土葬や生前葬などは類書よりも詳しく書かれていました。葬儀と墓に予算のほとんどを使っていた時代から多様な選択肢のある時代へ。納得のいく方法を選ぶためにもエンディングノートが流行っているのも納得出来ます。2017/01/07