内容説明
新幹線や高速道路の開通、国鉄・JRの営業施策の変化など、その時々の輸送環境の影響により、本来の活躍ができずに消えて行った列車たちの物語。列車は車両と違って環境変化の影響をまともに受けるため、車両よりもはるかに短命で終わる列車が多い。本書では、設定当時から廃止に至る輸送環境の変化を解説しながら、期待を持って設定された列車がなぜ廃止に至ったか、なぜ本来の目的を達せられなかったか、などを、ていねいで分かりやすい解説で綴る鉄道史となっている。なお個々の列車には廃止に至った特徴的な事由を秀逸なキャッチフレーズで紹介し、誰にでもわかりやすい内容となっている。
※この電子書籍は2015年6月にJTBパブリッシングから発行された図書を画像化したものです。電子書籍化にあたり、一部誌面内容を変更している場合があります
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Francis
4
同じ著者による「悲運の車両」の姉妹版と言うべき本。戦後最初の特急「へいわ」や最近廃止された「トワイライトエクスプレス」(あえて取り上げているとのこと。)などを取り上げている。上手く行かなかった理由は様々だが昭和50年代の運賃の大幅値上げにより航空機への利用のシフトが起こったことや、高速道路網の整備により、高速バスが発達したこと、使いにくいダイヤ設定など、当然の理由も多い。今なお厳しい環境にある鉄道事業の今後を考える上でも読んでおいた方が良い本だと思う。2015/08/23
インテリ金ちゃん
1
悲運とは言うものの、車両の設備が他の列車と比べて劣っていたり、運行時間が客のニーズにあっていなかったり、廃止される理由はそれなりにある。列車のせいではなく運行者の責任なのだけど...2016/09/03
やまほら
1
当然だと思えるのもあれば、そうかなあと思うのもある。50の列車名が並ぶと、同じような展開の繰り返しになるのだが、それをいろんな角度から見ることにより、飽きさせないのがさすがは筆者。ただ、臨時列車までは網羅できていないのか、九州内の臨時寝台特急「桜島」には触れられていなかった。2015/11/02
Ryuji Saito
0
2016年85冊目2016/05/31
Teo
0
鉄道の悲運シリーズと言うのだろうか、今回のも面白かった。何故こんな急行が生まれたのかとか思う物の中に、国鉄末期の労使の関係悪化から無くすに無くせない物があったと言うが新しい知見。2015/11/16