内容説明
世間や日常生活を鮮やかに、明快に解く感覚を、名訳で読む。合理的・論理的でありながら皮肉やユーモアに満ちあふれていて、極めて現代的な生活感覚と美的感覚を持つ精神的な糧となる代表的な名随筆。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
esop
72
吉田兼好徒然草を佐藤春夫さんが現代語訳してくれている。佐藤さんは森鴎外にも師事した超すごい人。読みやすく、シニカルな感じが好み 随筆録だが、現代にも十分通ずるようなことがたくさんである、あぁ〜、わかるわぁ。って感じ。 人間の心を惑わすものは色情に越すものがない/急を要することを後回しにしてーそのときに後悔したって間に合うものでもない/家の造りは夏を専一にするのが良い/初心の人は矢を2本持ってはならぬ。のちの矢を頼みして最初の矢をぞんざいに取り扱う/勝つと思ってかかってはいけない。負けまいとして打つのがいい2025/08/25
ジュンコ
16
初めて全文読んだ。共感できることも、できないことも。でも、大事なことって、今も昔もそんなに変わらないんだな。佐藤春夫訳は読みやすくておもしろかった。原文でも読みたい。2016/05/09
翡翠
14
人はこの様がよい、との美学に貫かれた確信。賛同すること多し。兼好の厳しいけれど、これは許せる、といった懐の深さ、優しさを感じるところがよい。2021/12/03
色々甚平
14
読む前だと堅苦しそうに思われる作品だが、実際はメモ帳感覚で今のツイッターくらいに思って読めるくらいだった。仙人が山から降りてきた時、農家の女性のふとももを見かけたら通力を失った話やら、何かあった後で怒った文章もあり、そこまで肩肘張らずに読める内容。当時の美徳感覚に触れる話もあり、今の日本の感覚にもまだ繋がる部分を感じられて、どこかホッとすることもできた。ただ、本文にここの話はどうせ誰にも見られやしないし、と書かれているだけにちょっと悪い気持ちが芽生えてしまう。兼好さんごめんな。2017/02/20
たー
14
あまり説教じみてなくてユーモアがあって好きだ。それにしても昔から人って変わらないものですね。2012/03/06




