内容説明
足軽の家に養子となった少年、のちの高橋是清は、英語を学び、渡米。奴隷として売られる体験もしつつ、帰国後は官・民を問わず様々な職に就く。生来の勉強家は、現場経験を積んだことで不世出の銀行家へと成長する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いたろう
55
首相としてより、大蔵大臣としての方が有名な「ダルマ宰相」高橋是清の伝記。上巻は日銀に入り、支店長になる29歳まで。12歳で酒の味を知り、10代にして酒を飲みながら仕事をしたという豪傑。アメリカで奴隷として売られながら、そこで英語を習得し、帰国して教師になるも、放蕩生活の末に退職。その後、英語学校の教官、24歳にして開成の初代校長、農商務省、特許局長を経て、ペルーでの鉱山採掘。そこで不測の事態に巻き込まれて全てを失い、家屋敷も手放しての貧困生活、そして日銀入行という波瀾万丈の前半生。下巻へ。いよいよ政界へ。2015/11/04
Book & Travel
51
大蔵大臣7度、総理大臣を1度努めた高橋是清。日本経済が苦しくなる局面で「ダルマさんが出れば大丈夫」と頼られた人物に前から興味があった。若い頃から波乱万丈なエピソードばかりで面白い。13歳で米国に留学するも奴隷として売られたり、大学予備門で学ぶも酒と芸者に溺れ学校を辞めたり。農商務省、特許局で活躍するが、相場やペルー鉱山開発の詐欺で大失敗。これらの失敗が人の為や自分の信念によるものばかりなので、次の機会をくれる人物が必ず現れるのが興味深く、生き方の勉強にもなる。金融界での一歩を踏み出したところで下巻へ。2016/10/20
Walhalla
35
高橋是清の生涯を描いた作品でした。物語は幼少期から始まりますが、なんと13歳で亜米利加(アメリカ)に渡り英語を学んだそうですが、実は現地では奴隷として扱われていたなど、驚くような史実がたくさん描かれています。生涯、非常に多くの要職に就かれた方ですが、生まれた時から常にエリート街道を歩いてきたのではないのですね。まさに、波乱曲折という言葉がぴったりきます。上巻では、日銀の西部支店長に就任するまでのお話でしたが、下巻も楽しみです。2022/07/27
thee birdmen
34
高橋是清の生涯ってことですが、これが実に面白いです。『なにがあっても、なんとかなる』という究極の開き直りと天性の強運で道を切り開いていく少年時代は特に面白かったです。その後の人生も波乱万丈。教師をやりながら花街に溺れたり、投資話に引っかかったりと失敗を繰り返しながらも、強運に導かれるようにして官吏・銀行家と華麗な転身を続けます。その場その場で様々な経験を積んでいくので読んでいて飽きるところが全くありません。それにしてもつくづく思うのは、人の縁の大切さ。腹を割って話せば相手も心を開くものですね。2016/03/31
geshi
28
財政の神と言われた高橋是清の一代記。上巻は激動の時代を反映するかのように次々と職や立場を変えていく前半生。起こった出来事全部を伝えるために総花的と思える部分はあるが、それらのエピソードから是清の真っ直ぐな人物像が伝わって来る。アメリカに渡ったものの奴隷扱いを受けたり、酒と遊びで身を持ち崩したり、国家プロジェクト級のペルー銀山開発で詐欺にあったり、やらかしの方が目に付く。数々の失敗から学び取ったものが後半生に活かされるのが楽しみ。2015/10/11
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