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内容説明
なぜ日本は大東亜戦争に敗れたのか。情報・対情報・兵站の軽視、そしてそれを招いた科学的思考の欠如、日露戦争辛勝以後の組織の制度疲労がまず原因として挙げられる。だが数々の失敗を検証するなかで見えてくるのは、戦略がまったく欠如していたこと、そして何より失敗から学ばず、その失敗を「なかったこと」にしてしまう、帝国陸海軍の自己革新能力の劣化と喪失であった。戦史研究に長年携わってきた著者が、戦後七十年の今こそ、敗北の裏にあったものは何かを問いなおす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロッキーのパパ
18
評価は★★★(満点は★★★★★) 旧日本軍が負けたことを分析した本としてはよくまとまっている。ただ、この分野の本を読み続けた者としては当たり前の内容に終始していたんで、物足りなさを感じる。 著者は、大戦略(グランドストラテジー)の欠如を大東亜戦争の敗因をしてあげている。その点は同意できる。が、なぜ、大戦略を作り上げることができなかったのか、全くできていない。著者は当然気づいていると思うけど、右寄りのみとしてはかけなかったんだろうね。ぼくも書けないけど(^_^;2016/07/15
CTC
11
15年ちくま新書。著者は『失敗の本質』の共同執筆者のひとりで、元防大教授。15年の1-3月に首都大の公開講座での[戦史に学ぶ-大東亜戦争敗因の総括]と題された全8回の講義を纏めたものという。「情報と兵站の軽視こそが、敗北の本質」という事が本書の主題である。一冊の読み物としては形になっているが、流石に著者は36年生まれであるし…現代に通ずる講義として、情報戦や東日本大震災の教訓に結びつけようとするあたりでは、ステロタイプに陥る感が強い。さすがと思う視点も見られるのだけど、新しさも出しにくい題材ですよなぁ。2021/10/07
skunk_c
8
元陸上自衛隊佐官によるアジア太平洋戦争論。日本は政府ではなく軍が戦争を遂行したため大戦略がなく、また兵站と情報の軽視が敗戦を招いたという、少し大戦史を学んだ者なら既知のことを解説。元自衛官ならではの専門的な見方が出てくるかと思ったが、ほぼ一般論に終始していて期待はずれ。ただ、日露戦争の段階でデータでは白兵戦による戦死(銃砲によらないもの)が1%を下回っているという指摘などはさすがに新鮮。一方近衛文麿への評価が定まらず、西安事件も蒋介石を毛沢東に引き渡したという史実と異なる内容で書くなど、問題点も多い。2015/08/09
Gamemaker_K
6
ものすごく不謹慎なことを言うのだが、よくこんな体制でよくあれだけもたせることができたな、と驚くばかり。付き合わされた国民もたまったもんじゃない。全編他山の石。飲み込むべき教訓だらけ。…しかしながら、台湾第82部隊第二課が作成した「これだけ読めば戦いは勝てる」という小冊子、ぜひ読んでみたい。2015/08/09
さいごの砦
4
元陸自の著者だからか陸軍の分析が主。目立った主張というより、わかりやすくまとめたという感じ。一般向け講義録ということで大学生におススメする。2018/07/30
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