内容説明
大学の芸術学部で学ぶ作家志望の「私」と、二歳年下の画家志望の「彼」。書く訓練として「私」が何年も続けた「MH式カード」、二人が住む杉並界隈の風景、印象派の画家たちの群像……。創作をめぐる諸断片とともに織り上げられていく、夢を追う若者たちの名もなき時代……。自らの作家になるまでの日々を批評的に描いた、批評的半自叙伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
121
これは困りました。 どうにも分からないのです。 一通り読んでから、あらすじを読みましたが、自叙伝だそうです。 そうなのかと思ってもう一度読んでみましたが、雲の中で手探りしているみたいで、どの方向に向かえばいいのでしょう? まあ、色々読んでいたら、こういうこともあるんだということを思い出させてくれる感じでした。 2020/09/10
若布酒まちゃひこ/びんた
24
もうメルヘンの改稿、どこがどうなったのかわからない笑2016/09/07
loanmeadime
13
10年以上前の小説『四十日と四十夜のメルヘン』に前書き『匿名芸術家』が書き足される体裁で本が出来上がっています。『匿名』の方では、往復はがきに文章を書き連ねる作業、『四十日』の方では処理しきれない大量のチラシが重苦しい日々の記録のようにたまる中、杉並区長選挙前の3日間の日記的な記述が繰り返されます。それらは作中、主人公が執筆する小説のメーキングのようで、パリと杉並区がリンクして眩暈を起こしそうな世界を展開します。2025/11/06
ぽち
12
最初から気になっていた、後半部の二段組。これがなんと「四十日と四十夜のメルヘン」ああそうかデビュー作に繋がる表題作だからな……と浅はかに思い久々の再読だな、と思いきやコレが単行本版とも文庫版とも違う!これはもしやあの「ピンチョンが現れた!」というあの新潮掲載版なのか!時折他のバージョンと比べつつ読んでいて、コレは加筆修正どころの話ではなくリミックス、いやリワークとでもいうのが相応しいほど変化している。ファンは必読。(文芸誌の古本ってどこで扱ってるんでしょうかね)2016/01/21
めだいさる
5
久々の青木淳悟だ。 デビュー作『四十日と四十夜のメルヘン』を加筆修正し、本編のプロローグ『匿名芸術家』を収録したリメイクである。 プロローグのお陰で分かりやすくなったが、オリジナルの得体の知れない魅力が減ったのは一長一短だ。 例えるなら「話の通じないヤバい奴」から「意思疎通が可能な変な奴」になった。 ただ、今から読むならこちらをオススメする。 文庫版『四十日と四十夜のメルヘン』を持っているので、加筆修正された部分を比較しようと思います。2025/07/14
-
- 和書
- 印象派 岩波世界の美術




