内容説明
作中、何者かに殺されたハックの父。その犯人が見つからぬままに終ってしまうのはなぜか? 執拗にくり返される死にまつわる迷信や逸話、その隠喩に込められた真の意味とは? そして周到に仕組まれた結末の「ごまかし」とは? “父殺し”という観点で読み直してみると、秘められたトウェインの驚きの過去が露わとなる――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fseigojp
24
父殺しといえば ドストエフスキーと思っていたら。。。。トウェインもそうだった 当時、解剖がどうして必須だったか いまひとつ不明2016/04/08
とうゆ
18
「ハックルベリー・フィンの冒険」で殺されたハックの父親パップ。彼を殺した犯人は、小説内では明かされない。著者は、これを重大な謎とする。トウェインとその父との関係性、「ハックルベリー・フィンの冒険」と他のテキストとの関連、出版の際に消された挿話。これらを手掛かりに、その重大な謎が解き明かされていく。一つ不満なのは、フロイトとの関係性をエピローグに持ってきたことだ。正直言って、ここは余りにも自説に都合のいい方に考えすぎているとしか思えない。フロイトがなくても、この本は一つの物語として完成していただろうに。2015/06/25
maimai
9
ちょっとまえに『ハックルベリー・フィンの冒険』を読んだので、その流れで。なるほど面白い。ただ、期待していたのは『「こころ」大人になれなかった先生』(石原千秋・みすず書房)のような、テクストの緻密な読み。それに比べると本書の読みの対象は『ハックルベリー・フィンの冒険』にとどまらず、『トム・ソーヤーの冒険』をはじめとするトウェインの諸作や周辺の資料にまで及ぶ。著者の興味の対象は『ハック』というよりは著者トウェインの深層であって、まあそれはそれで興味深いのだが……。2016/10/18
月をみるもの
6
フロイトとかエディプスとか、もうおなかいっぱいだよ、、という人にこそ読んでみてほしい。禁止されないとワクワクしない=ミステリー。制約のないところには自由がない=SF。ということで、次は「アーサー王宮廷のヤンキー」を読もう。2015/12/26
葉っぱかさかさ
5
要点だけ聞けば納得しないこともないが、あまりにも詳細であるが故に、ちょっと読み飽きてしまった。ごめんなさい。物語の時代や生活に興味がもてたので、フィンの冒険は読んでみたいかな、と思った。2015/04/05