内容説明
独立起業家として日米のビジネスの一線で活躍してきた著者が、父親の介護を通じて発見した「衰退という価値」。さまざまな体験や場面から得た教訓や人生哲学の数々を、「低成長時代」の日本の風景とともにつづる名エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
18
内田樹さんの本で知った平川克美さん。図書館の随筆の棚に3冊並んでいたのを借りて読む。まずはこの本。「路地裏人生の、論」なのだと「まえがき」にある。時代に追い越され、風景の片隅に取り残された路地裏の生活・・・。自分たちの繁栄のために捨て去ってきたものが何であったのかを確かめておきたかった。とのこと。他の方のレビューにもあるが、言葉に対する感覚の俊英さや、地に足の着いた見方考え方に、安心感をもって読める随筆だ。2018/01/03
ありんこ
5
世の中の動きに流されるのではなく、しっかりと自分の生活を日々生きている著者の思いが静かに丁寧に書かれていて、とてもよかったです。大事より些事が大事、老齢化を支えるのは大きな経済ではなく、身の回りの小さな経済である。など、うなずけるところがたくさんありました。年上の大人の男性の話は参考になりますね。2015/11/20
陽之理
3
15歳以上違う平川さんに共感するのはまだ早いのかもしれませんが。1980年を境に変わったものがあって、その記憶を最近思い出してます。2016/06/05
DEE
3
生活圏というか、この本に書かれている場所が身近なところなので驚いた。 でも、それほど興味深さは感じなかったけれど… たぶん合わないんだろうな。2016/06/03
ruri
3
文中の『時代に追い越されていった人々に寄りそうこと』という部分が特に気になった。 私が生きてきたなかで住んだ街があってどんな思いを感じていたとしても、道があってその上にたっていたこと。 街には大通りがある。駅には名前もある。市場もある。なくなったけど昔誰かが生きて住んでいた家がある。 私にもふるさとがある。 あたりまえに存在するから特に気にかけることもなく時間はすぎるけど、大切でありとても味わいが深いこと。 懐かしさを感じさせてくれる一冊。2016/04/07