内容説明
第2次世界大戦前後のフランスで、反ファシズムの標的とされた1人の男がいた。「火の十字団」総裁、ラロック中佐。穏健な中道派志向でありながら、なぜファシズムの権化として集合的記憶に刻まれることになったのか? 現代も活発に続くファシズム論争に、新たな視座を供する画期的な書。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nranjen
4
非常に素晴らしい本、研究だと思う。ずっと謎だった火の十字団という存在。この本はこの結社(フランス社会党)指導者のフランソワ・ド・ラロックの政治家半生によって、その概略を示している。残念なのは火の十字団自体の活動の沿革はあまり触れられていない点だ。しかし何よりも火の十字団の謎は、戦後の政治的変遷により真の姿が誤解されているからだということがわかった。ドイツ軍の捕虜となり、対独協力者として獄中死する。しかもファシスト呼ばわりされるが、右派火の十字団は極右ではなかった。だからこそやはり党の変遷自体が知りたい。2019/05/16
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