内容説明
敗戦後、日本人はアメリカについて真剣に考えることをやめた。日米安保条約があるから、有事にはアメリカが日本を助けてくれると信じている。だが、永遠に続く同盟関係などない。1920年に刊行された樋口麗陽著『小説 日米戦争未来期』を読むと、当時の日本人がいかに冷静に国際情勢を分析していたかがよく分かる――。外交におけるリアリズムを取り戻すため、佐藤優が同小説を鋭利な刃を用いて分析、日本が米国と今後どのように付合うべきかを説く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
96
1920年に書かれた作品ということで一種の奇書などでしょう。書かれた当時に、日米戦争を予言していたような感じでこのような作品をよく見つけ出して読みやすくしてくれたと思います。空を飛ぶ戦艦やミサイルのようなものまで出てきます。この原作者はメキシコが日本と同盟を結んだりとよく世界のことを研究していたのではないかと思われます。佐藤さんの解題なども詳しく楽しめました。2024/01/17
ヨーイチ
25
副題に「超訳 小説・日米戦争」とあり、佐藤優に反応して購入。題名といい出版社といい超訳といいトンデモの匂いがプンプンである。恐る恐る手に取る。文庫の新刊を当てたみたいで読書メーターへの登録も一番。これも結構珍しい。大正9年の空想未来小説を作者が超訳して、更に解説してくれている。大正9年時点の1940年頃を想定した国際情勢と政治ってかなり錯綜しててそれだけでも面白い。小説中では社会主義国家の成立は無かった事になっている。続く2015/07/10
Shuhei Yamashita
3
日本の国力は米国に及ばないことを知っていた著者樋口が、安易な反米感情から日米間の戦争に走る危険性に釘を刺す。佐藤氏いわく、著者の樋口は日米の開戦がかならず世界大戦になること、国際連盟は武力行使ができないという誤謬、中国大陸では必ず日本は負けるという地政学的な視点、など国際情勢を正確に見抜いていたという。物語の各章を佐藤氏が解題することで、日本の立ち位置が見えてくる。また、アメリカの支配体制で生き抜くには、反知性主義を抜け出すこと、知的体力をつけること、思想的確立を急ぐ事などを佐藤氏は訴える。2015/07/12
威海Адо
2
戦前の「日米戦争小説」に惹かれて購入。佐藤優の本を読むのは初めてだったが、読み易くてよかった。しかしこの本の最も重要な問題提起である「現代に蔓延する反米の気運」に関して、少し説明不足だった印象。2015/11/09
じゅんじゅん
2
100年近く前に書かれた本とは吃驚です。今読んでも楽しめました。大正時代の空気その時代の人たちの思想や行動を佐藤氏が懇切丁寧に説明しているので、読んでいて引っかかるところがありませんでした。子供向けSF小説と侮っていてはいけない本格未来小説でした。2015/08/14
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