内容説明
ホテルとは名ばかりで、宿泊客は滅多に来ない『極東酒店』。それでも此処は、レディ・ジェーンが愛した家――殺された彼女からホテルを継いだ少年・魁は密かに復讐を誓っていた。世界一華やかな暗黒街と呼ばれる横浜・旧中華街は、一度入れば門を出る際に百万円を支払わなくてはならない。それは街の実質的支配者であるカジノ『ウィッシュボーン』のオーナー・ロウによって定められた掟。犯人はまだこの街の中にいる。そう考えていた魁の前に突如、レディ・ジェーンの後継者と名乗る少女・アリスが現れた。遺言状も無くレディ・ジェーンのホテルを継いだ魁の正当性を認めなかったアリスだが、使用人の裏切りにより一文無しになってしまった彼女は街から出られなくなってしまう。レディ・ジェーンの死の真相を探る為に手を取った二人。現実という悪夢の渦巻く街の中で、彼ら二人に委ねられた復讐の結末とは――?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芙蓉
5
初読作家さん。面白かった。閉ざされた横浜中華街が舞台。アリスと魁の関係がよかった。「恋と同居」がテーマになっている作品2015/11/20
ほずみずほ
1
表紙のパッと見でファンタジーかと思っていたが、めっちゃ現実味のある、けれど少し未来のお話でした。かなり殺伐とした場所ではあるけれど、二人とも17という事で所々幼さが漂っていたりニヤニヤできた。2016/02/15
Isuzu_T
0
未来(?)の横浜中華街を部隊にしたサスペンス。19世紀とかその辺? の貴族サマの優雅でベタベタな冒険譚にSFをぶっ込んできたといった感じで、なんていうか、そう、最高やった。2015/09/23