内容説明
1861年に統一を果たしたイタリアのリソルジメント(国家統一)運動の先導者で自由主義思想家デ・サンクティスの、国民国家論の古典「学問と生」を中心に、その歴史的射程を検証。学問は国民国家の精神的紐帯であるべきと説く政治教育的課題を、1920-30年代のファシズム台頭期にクローチェ、ジェンティーレ、グラムシらがどう引き継いだかを探る、興味つきない思想的ドキュメント。
目次
Ⅰ
学問と生──一八七二年十一月十六日ナポリ大学での開講講演(フランチェスコ・デ・サンクティス)
Ⅱ
デ・サンクティスの講演「学問と生」を読み返してみて(ベネデット・クローチェ)
クローチェの自由主義(ジョヴァンニ・ジェンティーレ)
政治教育者としてのデ・サンクティス(ルイージ・ルッソ)
デ・サンクティスに立ち戻ろう(ジョヴァンニ・ジェンティーレ)
デ・サンクティスへの立ち戻り(アントニオ・グラムシ)
芸術と新しい文化のための闘い(アントニオ・グラムシ)
Ⅲ
国民革命幻想──デ・サンクティスからグラムシへ(上村忠男)