内容説明
広島への原爆投下の惨劇を克明に描いた傑作「夏の花」三部作、亡妻への痛切な思いが滲む「美しき死の岸に」ほか、壮絶な体験と苦悩を刻んだ小説群。戦後70年を経て尚鮮烈な光を放つ戦争文学の金字塔を、文芸文庫スタンダードとして新装版刊行。
目次
夏の花
美しき死の岸に
原爆以後
拾遺作品集
童話作品集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こだまの本棚
16
読み終わってはいないですが、期限が来てしまったので一旦感想を。p98にて。センター試験で出題された作品を含む戦後に書かれた作品をまとめたもの。面白い面白くないのものさしで測れるような作品ではない。本を開けば戦争の様子が浮かぶようで、被災した街を歩き回っている気分になる。続きはまたいつか。私はセンター試験でこの作者の作品を一部ではあるが読んで、試験中ながら引き込まれてしまった。ただ、今回は読み切ろうとするには忙しくて時期が悪かった。自分にとっては区切り区切り読む本ではなかったかな。2020/07/02
わいほす(noririn_papa)
7
今年のセンター試験の国語に出題され、若松英輔氏がtwitterでその設問に異を唱えていたので、問題文を読み、そしてネットで検索するうちに、この作家が「鋼と羊の森」で「明るく澄んで懐かしい文体・・・」と引用されていた作家であることを思い出し、ぜひ読まなくてはとこの本を購入。そんなきっかけで原民喜を知る私のような人が何人かいたら、それこそが出題者の狙いだったのではないかと思ってしまう。それにしても文庫本で定価2200円。 (以下コメントへ)2020/03/04