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内容説明
これまで地域を再生するために様々な施策が取り組まれてきた。しかし、現実には衰退は変わらず続いている。地方では自動車利用を優先した都市計画により、中心市街地の空洞化、路線バスの廃止が進み、衰退は加速した。この悪循環を止め、地方を復活させる鍵は、鉄道・バスといった「公共交通」の見直しである。そこからコンパクトな街が再生される。日本でも注目を集める「交通まちづくり」というアプローチを紹介し、本当の地方創生の方法を提案する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
75
面白かった『持続可能な交通まちづくり』の著者が10年前に出していたものを読んでみた。なぜもっと早く読まなかったんだろう。ちょうど富山市のLRTができたあとで、まだ宇都宮のそれはできていない時代、すでに宇都宮の取り組みの意味を先取りして論じていた。新自由主義経済の大きな弱点である公共財について、どのように負担するかを正面から論じている。何でも市場に任せれば良いのではない。また現状のふるさと納税の問題点につながる話なども懸念を持って論じられている。こういう専門家が市民とともにまちづくりに取り組めると良いな。2025/01/09
1.3manen
30
07年アルピコグループ産業再生法が適用された。経営破綻後の再生は、公共交通のあり方をそのまま如実に表しているようである。マイカーなくして田舎居住者は暮らせないが、買い物弱者問題とセットで、高齢住民の移動手段を連動させる必要を感じる。先ほどの料理人の限界都市を地方が支える というのは、本書で指摘されるよそ者がうっかりしたことをいえば、地方の現実を知らないと批判してしまいかねないのである(031頁)。この著者の感性、感覚は正しい。2015/07/28
あきあかね
24
都市が闇雲に広がり、公共施設·商業施設は鉄道やバス等の公共交通とは無関係に立地し、過度な自動車依存が進む。その結果、公共交通は減便され更に衰退し、ますます自家用車がないと暮らせなくなっていく。 こうした負のスパイラルを断ち切るために、交通とまちづくりを一体的に捉える「交通まちづくり」という手法に著者は期待を寄せる。 郊外では自家用車を使う一方、都心部では公共交通に乗り換えるという棲み分けが進んでいるドイツやフランス。LRT(次世代型路面電車)が軸となって街の各拠点をつなぐ「お団子と串」のまちづくりで⇒2020/06/05
Akihiro Nishio
15
地域再生という問題に、筆者の専門である公共交通という視点を導入してもいいんじゃないかという内容。様々な地方都市で「街作り委員」として呼んでもらえれば発言しますよ、という程度の熱気で、本気で街作りに参加しようというほどの意気込みは感じられなかった。筆者の鉄道に対する愛情は十分伝わった。2016/05/15
koji
10
週刊ダイヤモンドBEST経済書第4位。「交通まちづくり」とは、まちづくりの目標に貢献する交通計画。本書では、そこから「交通権(移動権)、モビリティマネジメント、LRT・BRT、上下分離方式、費用対効果、ソーシャルキャピタル、STOフレームワーク」を絡めて、重層的に議論を展開します。とりわけ交通権とSTOの概念が新鮮でした。公共の福祉による制約と費用便益を説明する上での鍵概念と思います。更に独仏の交通政策の教え。30年前は日本も同じ地平に立っていたが、その後の政策で分かれました。深く考えさせられました。良書2015/12/27




