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内容説明
私たちが日頃使う「新かなづかい」は、ほんの60年ほど前に制定されました。
それまで日本人に使われてきたのは「旧かなづかい」。
歴史の中で長い時間をかけて洗練された旧かなは、合理的で美しい。
また語源や意味も正確に伝わり、実は新かなよりはるかに使い勝手がいい表記法です。
「このあひだはありがたう」「では七時に会ひませう」「きのふから雨が降つてゐる」――ふだんの手紙や日記を旧かなで書いて、あなたも日本語の美しさを味わってみませんか。言葉が心にしみ入ります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
墮太
20
・ありがとう → ありがたう ・おはよう → おはやう ・おめでとう → おめでたう ・さようなら → さやうなら ・ゆっくり步いて參りましょう →ゆつくり步いて參りませう 🗒✒️さうかうしてゐるうちに言はう話さうと思うてゐたこともつい言ひそびれてしまひました。✒️🗒 少しづつ練習して行きたいと思ひます。 2021/10/10
みつ
9
「常用漢字の歴史」を読み、正字旧かなで小説「青春」「魔風恋風」を読んだ流れで再読。主な論点は、①旧かなづかいの方が、音に引きずられない分新かなづかいよりも整合性が取れている(学びやすい)。②文語文のみ旧かなづかいを許容することは、文語的な言い回しが現代の文にも多く現れるため、無意味。③文学作品のかなづかいを発表当時から変えるのは作者への冒瀆。④正字を新字に変えたことで漢字の本来の意味を失うものがある。疑問反論はコメントで。最も有益なのは旧かなの表記法。短歌・俳句を旧かなで詠みたい方にとっては格好の手引き。2021/03/14
タカオ
7
内容が特におもしろく、かつ本書の核となるのは第一章。なにしろここで「ハ行動詞と「ゐる」をおぼえただけで旧かなは八割完成」とまでいっているのだから!そして第二章で活用を解説して、第三章ではもう少し説明を加えていく。第四章から第六章では、現在の国語改革に批判的な内容が中心となっていき、それはそれでおもしろいが、個人的に重要だと思ったのは、第三章までと最後の「おさらひ」以下。「さうかうしているうちに言はう話さうと思うてゐたこともつい言ひそびれてしまひました。」なんて、さらっと書いてみたいものです。2015/09/09
しょうゆ
6
旧仮名遣いが合理的で整然としていることは、口語文法と文語文法を比べれば一目瞭然。新仮名遣いでは語幹のズレや単語の区切りがおかしくなることもある。旧仮名遣いに戻せ!とは思わないけど、教科書に載る文章や出版物は書かれた当時の仮名遣いにしてほしい。改変が改竄に近いというのは事実だと思う。(内田百閒の文章が好きなので特に強く思う)常用漢字は本当に改悪。一つの漢字に色んな意味を背負わせすぎている。確かに旧字は画数が多すぎて面倒だけど、読めるようにしておくのは大事なことだと思った。2021/09/26
dobrydenkrtek
5
旧仮名づかひの入門書として便利。わかりやすい。確かに旧仮名で書かれたものを新仮名に変えることはある意味では改ざんと言えるかもしれない。しかし源氏物語を現代語訳しても改ざんとはいわないだろう。つまり新かなに「改ざん」された谷崎は、ある意味では現代語訳しているとも言える。その程度にもう古い仮名遣ひは廃れてしまったのだ。だからこれで勉強を始めよう。つまり旧仮名は万民が必要とするスキルというよりは、過去の作品をより深く、あるいは本当の意味を理解するために必要な教養ということだ。2016/05/27
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