内容説明
「法史学(法制史研究)」とはいかなる学問か? 近世・近代のヨーロッパ(とりわけドイツ)の歴史のなかで、どのように法制度が確立され、それにかんする理論が形成されてきたか、といった問題設定をつうじて、現行の各国の法制度を考察するための導きとする学問──その「法史学」のマニフェストといえる諸論文に、比較法史研究の個別事例の論文をふくめた、日本版オリジナル編集の1冊。
目次
まえがき
法史学者の課題(ヘルムート・コーイング)
法律学の科学化(ディーター・ジーモン)
選定侯団の成立
──家族法・相続法的メルクマールによる「ドイツ国制史の根本問題」の解明(アルミン・ヴォルフ)
一四〇〇年当時のヨーロッパにおける王位継承の諸原則
──王統支配体制の実行の比較研究(アルミン・ヴォルフ)
サヴィニー「近世ヨーロッパ貴族法史への寄与」について(アルミン・ヴォルフ)
[付論]形而上学なき自然法──世界法と地域共通法(河上倫逸)