内容説明
ドイツ近代法学を専攻する著者による〈法〉の社会理論の考察と、現代において〈法〉の具体的課題としてあらわれる脳死などの問題にも対応する実践の書。
目次
Ⅰ 法の社会理論を求めて――課題への接近
社会法学の現代的意義
自然支配と法技術――目的的社会組織と法人
社会的合理化と法
ヴェーバーにおける「進歩」の概念
Ⅱ ドイツ近代法史研究と現代
A ドイツ近代法史研究の行く方
EC統合を支える共通の法文化
ドイツ近代法史研究の一動向(1960-70年代)
――マックス・プランク・ヨーロッパ法史研究所の近況
学究の鑑――上山安敏教授と京大西洋法制史
「超学際研究」に向けて
――「ドイツ文化・社会史学会」発表シンポジウムからの報告
「非神話化」への道――ハーバーマス教授を迎えて
変貌する「フランクフルト学派」――法批判・権力批判の社会学へ
ドイツ再統一と「歴史家論争」
B ドイツ法研究の動向
転換期の法科学(Ⅰ)――1988年学界回顧「ドイツ法」
転換期の法科学(Ⅱ)――1988年学界回顧「ドイツ法」
ドイツ再統一と「再私有化」問題――1990年学界回顧「ドイツ法」
Ⅲ 同時代への視点
A 生命倫理と法
社会問題としての脳死と法
医療救助・人権擁護・新しい死の概念の社会的変容
――法的観点からみた脳死
B 情況のなかの学問
天皇機関説の歴史的枠組
――明るみに出た検察極秘文書および付随資料(全文)