内容説明
犬がいてよかった。あの人に。ぼくに。犬がいてくれてよかった。あなたのかたわらにいる犬のことが、愛しくてたまらなくなる本です。実話をもとにした、魔法のセラピードッグの物語。老人ホームに逃げ込んできた、臆病なダメ犬ボタモチ。彼がそばにいるだけで、みんなが生きる勇気と笑顔をとりもどした。たった一匹の犬が、人を笑顔にしてくれる。たった一匹の犬が、人の涙をぬぐってくれる。たった一匹の犬が、人生を変えることがある。十年前のあの日――もしボタモチに出会わなかったら、多くの人たちが、まったく違う人生の終盤を迎えていたのかもしれない。たった一匹の捨て犬が、誰かの人生を変えることがある。そう、となりにいるだけで……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あん
83
タイトル借りした一冊。介護施設でセラピードッグとして育てられた元捨て犬のボタモチと、施設のスタッフ達や老人たちとのふれ合いを描いた、心温まる作品です。犬好きさんは勿論のこと、そうでない人も、認知症の老人がセラピードックに癒やされて、笑ったり喋ったりと変化していく様子は感動すると思います。子供の頃飼っていた犬と、先日天寿を全うした親戚宅の犬とのことを思い出して、鼻の奥がツーンとなりました。2015/08/13
なるみ(旧Narumi)
30
図書館で偶然見かけ、5年一緒に暮らした13歳で見送った実家のシェットランド・シープドッグを思い出しながら借りました。内容はドッグハンドラーの興梠くんと介護施設に迷い込んで来た飼い主不明だった犬。背中に黒い模様があることから、ボタモチと入所者の方に名付けられ、訓練を経てセラピードッグとなり、入所者の方とのエピソードや天寿を全うするまでが描かれたマンガ作品です。興梠くんはボタモチの失敗を責めたり、とだいぶ青二才でしたが、ボタモチがセラピー効果をさりげなく発揮する様子にとにかく励まされる味わい深い一冊でした。2018/08/23
しのぶ
23
介護施設のドッグセラピーのコミックエッセイ。一匹の野良犬をセラピードッグとして受け入れ施設の人たちとのふれあいを描いた作品。人間と犬という生物間を超えた温かい愛を感じる。別れまで描かれるとこれは泣いてしまう。2022/01/26
こうちゃ
21
☆5 老人ホームに逃げ込んできた、臆病なダメ犬ボタモチ。彼がそばにいるだけで、みんなが生きる勇気と笑顔をとりもどした。1匹の捨て犬が、老人ホームで起こす小さな奇跡。実話をもとにした、セラピードッグの物語。悲しみや苦痛、人の気持ちに敏感なボタモチ。ただそこにいてくれるだけでいい。 2016/12/18
JACK
18
◎ 老人ホームで入居者を癒やすセラピードッグ。彼らは身体が上手く動かなくなった人や、病気で余命わずかな人の苦しみを和らげてくれる存在。介護職に素直に接することが出来ない人も、犬に対しては心を開いてくれることがある。老人ホームに迷い込んだ犬が訓練を受けてセラピードッグ「ボタモチ」として入居者を癒やす物語。健気な犬たちの姿と、入居者の方々の最期には涙が出ます。2021/06/29