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内容説明
死んだはずの親友・卓哉が生きている不思議な街、「蛍町」。そこで小学生の健はさまざまな出会いを通して少しずつ成長していく。しかし、自分だけの秘密だった「穴」の存在が次第に知られるようになる。そして、夏休みが終わりに近づくころ、「穴」は次第に小さくなって……。健と卓哉の友情の行方は? ひと夏に起こった小さな奇跡の切ない結末とは? 小さな胸に去来する、切なさと瑞々しさを描いたリアルファンタジーの傑作、完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
1039kuri
22
小学生の頃の夏休み前のなんともいえない気持ちの高揚を思い出した。少し悲しいけれど、爽やかな気分で読むことができた。この夏の間に何回かリピートしそう。2015/07/15
akihiko810/アカウント移行中
16
2巻完結。小学生の健の卓哉を亡くす。不思議な光に導かれ空地の切株へとたどりつき、切株の穴へ入ると「自分の町とそっくりな世界」で卓哉が生きていた…。パラレルワールドを行き来する、揺れる少年の心を描く夏のファンタジー。7/10点 緻密で味のある画から醸し出される、ゆったりとした世界観がいい。そして夏の終わりと共に必ず来る「お別れ」をせつなくもはっきり描いてるところがよい。初めての作家さんで、寡作そうだけど、実力者だと思った2021/08/23
mono
6
蝉の声を聞きながら読むと本当に入り込んだ感じがする。忘れられない夏休み。成長してく少年(とついでに青年も)眩しいなー。あとこの巻、女子がみんなかっこよくてかわいくて震えた。おまけの小坂にも震えた。2015/07/14
みきこ
6
パラレルワールドを行き来する少年のちょっと切ないSF。一番仲良しの友達と同じ世界で生きれないのは寂しいけれど、世界は違っても生きてる二人がちゃんといるってゆうのがよかった。なんか夏にこうゆうSF読めると嬉しくなる。長生きしろよー二人とも!今後も注目したい作者さんです。2015/07/11
あさひ
4
穴の向こう側には、この蛍町と少しだけ違う別の蛍町が存在する。亡くなった親友が生きていて、親友を事故から守った近所のおじさんは死んでいる。幸と不幸が穴の向こうとこちら側で交錯する。境遇の差が人格まで変えてしまう不可思議さに、少年は人間とは如何程のものかを学ぶのだ。少年のひと夏の不思議な体験。爽やかな読後感です。2016/10/15