内容説明
ポトラッチやクラなど伝統社会にみられる慣習、また古代ローマ、古代ヒンドゥー、ゲルマンの法や宗教にかつて存在した慣行を精緻に考察し、贈与が単なる経済原則を超えた別種の原理を内在させていることを示した、贈与交換の先駆的研究。贈与交換のシステムが、法、道徳、宗教、経済、身体的・生理学的現象、象徴表現の諸領域に還元不可能な「全体的社会的事象」であるという画期的な概念は、レヴィ=ストロース、バタイユ等のちの多くの思想家に計り知れない影響とインスピレーションを与えた。不朽の名著、待望の新訳決定版。人類社会のアルケーヘ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
92
むかし「ポトラッチ」という言葉が出てくる小冊子的な本を読んだ覚えがあるのですが、その言葉についての説明などがわかりやすく解説されています。どちらかというとフィールドワークあるいは民俗学的な本であるという気がします。様々な国での贈与という慣行がどのような意味を持つのかがわかってきます。再読したのですが経済学的な観点からの分析がもう少しあってもという気がします。2025/09/23
ころこ
47
贈与からイメージされるのは優しさかと思いますが、本書を読んでイメージされたのは暴力でした。文中によく契約という言葉が登場しますが、贈与に巻き込まれると、半ば返礼を強制され、その渦の中で否応なく生きていかなければなりません。そこに渦ができて抜け出せなくなるのは、モノの交換がコミュニケーションであり、精神の交換と同視されるからです。贈与は一般的等価物の交換としての資本主義の問題を解決するヒントになり得ます。他方でユートピア的なイメージとはかけ離れた、前近代的な共同体の押しつけがましさに満ちています。2019/10/18
zirou1984
41
ドイツ語におけるGiftは「毒」の意味も併せ持っているというのは象徴的だ。そう、資本主義が商品の売買によって他者との関係を築くのに対して、それ以前の未開社会は相互の贈与によって他者との関係を築き、それは政治や法律の代替として機能していた。だからこそ贈与には受領や返礼の義務が付随するのであり、それは又物品だけでなく感情の交換をも担う行為でもあった。「貰ったのと同じだけ施しなさい。そうすれば万事上手くいく」これは決して偽善から生じたものではなく、人類の歴史が育んだ叡智の結晶であったのだ。知的興奮が止まらない。2013/08/26
まると
31
贈られたら、気前よく「利息」を付けて贈り返さなければならない。「未開」社会はどこもそうだった。それこそが均衡のとれた人間関係を保つルールであり、常識だった。贈り物文化が残る日本、金持ちは寄付や喜捨をせよとする欧米やイスラム思想にも通じていると言われれば確かにそうかも、と思う。資本主義のモノやカネの束縛から逃れ、それに取って代わる社会を考える上で大きなヒントを与えてくれる。末尾近く「人間が計算機によって複雑化された一つの機械になってしまってから、まだそれほどの時間が経過していない」という言葉が印象的でした。2023/05/26
nekozuki
24
資本主義経済において、贈与は対価を求めない片務的な行為だがモースが諸地域の分析で示したように過去には贈与であっても長期的な目線で返礼の義務があったよう。贈与を受けたものを別の形で同等以上にして返さなければ当人の評価が悪くなったり災厄が訪れると考えられる文化は、現在の貨幣中心で各人が対価を貯め込む文化とは根本的に思想が異なるらしい。2017/07/04
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