内容説明
外務省の初代情報調査局長となり、駐サウジアラビア大使、駐タイ大使を歴任し、気骨の外交官、外務省きっての論客と謳われた岡崎久彦氏。2014年10月に逝去した同氏は、これまで自らについて語ることが少なかったが、生前に読売新聞の取材を受け、合計20時間余にわたって自身の生涯と戦後日本の外交について語っていた。その録音記録から明らかにされる、自らの外交官人生、さらに同氏の知る情報分析の要諦と戦後外交の秘録を、岡崎久彦最後の著書として今ここに刊行! 安倍晋三首相による追悼文「岡崎久彦大使と父子三代」を巻頭に収録。自らの生涯を語ることは少なかった。生前に残された20時間余の録音テープから明らかにされた情報分析の要諦と戦後外交の秘録!敗戦時、15歳の少年は何を思ったのか?本格的に情勢分析にたずさわり見えてきた真実とは?なぜ日米同盟なのか?激動する世界にあって、翻弄されないわが国の生き方を、自らの生涯とともに明かした日本への遺言!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yo
11
戦後日本外交における異端児の回想録及び論文、友人の回顧で構成される。本の為に編集されているだろうという点を差し引いても、この話の進め方がすごく好き。ものを端的に話すというのはこういうことだ。 岡崎さんをこの本で初めて知ったというのが非常に悔やまれる。1度会って話してみたかった。 最後に掲載されている論文の締めが「これからは…率直に発言して行こうと思う」となっているが、この論文が掲載された月に岡崎さんは亡くなった。無念極まりないと共に、人生の最後までこういうことに携わり続けた精力に脱帽した。すごすぎる。2015/05/13
isao_key
10
歴代の駐在タイ大使の中で、最も著名な岡崎元大使。いち早くインテリジェンスの重要性を日本で唱え、退官後には研究所を立ち上げ、刻一刻と変化する国際情勢分析を専門に行う。また日本を代表する保守論客として日本のあり方を発信し続けてきた。本書は惜しまれながら2014年10月に亡くなった著者生前のインタビューをもとに、岡崎研究所が編集した本である。タイ大使時代にミャンマーを極秘訪問した際、軍事政権が長く続いていたにも関わらず軍人は質素な家に住んでいた。その理由について我々は日本帝国陸軍の末裔だからだ、と言ったという。2017/01/30
funuu
9
内閣総理大臣 安部さんが追悼を書いている。国際政治の一番基礎にあるのは、軍事力による勢力均衡(バランス、オブ、パワー)です。情報分析とは、とにかく公開資料を徹底的に読み解いて、国際情勢を見通すことにある。「これは、佐藤 優氏と同じ。」厳しい現実を突きつけられる本。2015/06/26
とある本棚
8
稀代の名戦略家と呼ばれた外交官岡崎久彦の自伝。右翼的な保守派のイメージであったが、意外とリベラルな一面もあり、全てにおいて首肯するものではないものの違和感なく読み進められた。外交官の自伝にしては難しくなく、国際情勢の説明が簡潔になされている点も高評価。共産圏とアメリカで情勢分析の方法が異なる点、新しい国に着任するとまず歴史研究から始める点等々、実務上参考になる点もあった。2022/11/13
タイガー@津軽衆
3
通算43冊目、7月5冊目読了。賛否はあると思いますが、ほとんど著者の言っていることと同意見。もう少し前線での活躍を見たかったですが、後はお弟子さん達がどういう風に意志を継いでいくのかが楽しみです。2018/07/31
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