アウシュヴィッツを志願した男 ポーランド軍大尉、ヴィトルト・ピレツキは三度死ぬ

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アウシュヴィッツを志願した男 ポーランド軍大尉、ヴィトルト・ピレツキは三度死ぬ

  • 著者名:小林公二【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 講談社(2015/06発売)
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  • ISBN:9784062194938

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内容説明

ポーランド軍人、ヴィトルト・ピレツキは1940年9月、自ら志願してアウシュヴィッツへ潜入し、収容所に反ナチ組織を築いたが、発覚寸前の948日目に脱走する。その後も抵抗を続けドイツ敗戦の45年、ピレツキは英雄として祖国に迎えられるはずだった。しかし、ナチスに変わりポーランドを支配したのはソ連であり、彼は次なる敵に対峙するためワルシャワに潜伏する。47年に逮捕。拷問、裁判ののち、48年死刑執行された。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

傘緑

54
「(親ソ・ポーランド収容所)ここでの拷問に比べれば、アウシュビッツなど子供の遊びだ」このピレツキが最後に妻に残した言葉が英雄が英雄たりえなかったポーランドの悲劇の過酷さを伝えている。と同時に決して無辜の被害者たりえなかったポーランドの一面も、ピレツキがアウシュビッツから脱走し、祖国解放のために転戦していた際に、ユダヤ人が一掃された村での会話「…女駅員はうなずき、でもユダヤ人がすっかり片付いてせいせいしたわ、とこともなげに言った。この駅員のユダヤ人に対して抱く感情は、ポーランド人のごく平均的なものだった…」2017/02/04

Miyoshi Hirotaka

31
ポーランドにとってドイツとソ連は前門の狼、後門の虎。さらに、不運にもヒトラーとスターリンという狡猾で残忍な独裁者の全盛期が重なった。孤立無援の中で計画されたのがアウシュビッツ解放作戦。自ら志願し、収容所内に組織とネットワークを作った。アウシュビッツを脱走すると次はワルシャワ蜂起に参加。戦後、ソ連の指導の下に共産化が進むと、英雄は危険分子と見なされ、逮捕、監禁された。そこは、アウシュビッツが子供の遊びに見える過酷な環境。みせしめ裁判で銃殺刑に。ベルリンの壁崩壊後、裁判資料の見直しが行われ、名誉が回復された。2018/11/03

星落秋風五丈原

31
多くの者が生きて出られないアウシュビッツを脱出したにも関わらずもっとも自分が愛する国家によって捕えられ殺されてしまったピレッキ。第二次大戦時、国が一時期消滅してしまったポーランドという国の悲劇を体現するような人。2015/09/07

テツ

25
祖国ポーランドのために大戦中にアウシュビッツに潜り込み内部の様子を報告しおよそ千日間に渡り活動した後に脱出したポーランド軍大尉ピレツキ。ドイツと戦いソ連と戦い己の祖国を守るために戦い抜いた彼は戦後ソ連に支配され共産主義体制となった祖国ポーランドから反政府的、反社会的だと判断され処刑された。正義って何なのかな。守り抜こうと全てを擲った相手により死を賜るってどれだけ無念なんだろう。現在では彼の名誉は回復されているらしいけれど、魂が安らかであるように心から祈る。2017/10/17

スー

24
145アウシュヴィッツの調査と地下組織の設立そして最終的にはアウシュヴィッツ解放の時に内部から呼応する準備の為に潜入し報告の為脱走した男ピレツキ大尉、こんな凄い事をなした人が居たなんて驚きました。そして杉原千畝はドイツとソ連の情報を収集する為に送り込まれた諜報員だったなんて‼️二度驚きです。過酷な収容所から命懸けの脱出を行い世界にナチスの悪行の実態を知らしめたのに待っていたのは大国間の思惑で祖国ポーランドはソ連に売られピレツキは反逆者とされ逮捕・拷問そして射殺だった。国に尽くしたのにこんな結末なんて酷い2020/10/23

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