- ホーム
- > 電子書籍
- > コミック(少年/青年)
内容説明
僕たちにはもう見えない。彼にはそれが見えた──コミック界を震撼させた、鬼才渾身のオール描き下ろし450ページ!! 豪華ケース入り!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はちてん
34
松本大洋が大好きなので何度も読んでいるけれど、よくわからない。『よくわからない』というのは意外に牽引力があるものだ。いるけれどいない存在はファンタジックなものではないね。じゃあ何? グサッと陰影を強調したタッチは松本大洋前期という感じがする。それにしても、この人が描く少年は魅力的だ。2014/06/26
ぶんぶん
20
【再再読】モンスターとは何か、誰なのか、判らず終わる。 もしかしたら、自分自身かもしれない。 小学3年の立花雪の不思議体験。 どうにか答えを得ようとするが、答えが無い。 小学校の出来事にノスタルジーを感じるが、それだけじゃない幼年期の夢や恐怖や脱出感が良く出ている。 日常会話の中に潜む、まがまがしい現実が夢なのか現実なのか、目まぐるしく交差する。 子供の孤独を、スリリング描いた傑作。 書下ろし450頁、2,500円は、自分自身を顧みる至福の書物です。 判らないまま松本大洋の絵に浸りたい。2022/10/28
東の海月
16
確かに、小さい頃にはあったはずの色々な「何か」が、いつの間にか消えている気がする。そのことに気づかさせてもらっただけでも充分すぎるのだけど、ちょっと当時に戻ってみたくもなったり。一回でははっきりと話を飲み込めなかったが、それはそれで良いのかもしれない。少し間を空けてから再読したい。2023/05/02
りょうこ
14
〔旦那様推薦図書〕はじめはなんだかよくわからなかったけど、細かい部分の絵を見ているだけでも面白かった。2011/12/12
かやは
13
漫画ならではの表現に富んだ作品。人は、自分が感じたいように世界を感じている。ありのままに、世界を感じているわけではない。学校という、個人が集団で管理される場所。集団が作り出すまやかし。集団が「個人のため」と言うそれは、個人を集団に従わすだけの道具に過ぎない。集団は個人の幸福を保証しない。人は集団という共同体でしか生きていけないのに、どうして集団に適応できない人が出てくるのか。それは、その人が革新者だから。今ある集団を進化させ、変えていく存在だから。革新者を排除する集団は、そのうち滅ぶ運命にあるのだろう。2016/04/27