山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 くう・ねる・のぐそ 自然に「愛」のお返しを

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 くう・ねる・のぐそ 自然に「愛」のお返しを

  • 著者名:伊沢正名
  • 価格 ¥862(本体¥784)
  • 山と溪谷社(2015/06発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635047791

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内容説明

書評サイトHONZやベストセラー『面白い本』(岩波新書)で、HONZ代表・成毛眞氏(元マイクロソフト株式会社社長)が激賞。
2008年に山と溪谷社より刊行された21世紀の奇書、ついに、文庫化!

題字・カバー画はミュージシャンの知久寿焼さん(元「たま」)、巻末には、HONZ代表・成毛眞さんとHONZ編集長・土屋敦さんの対談を掲載。
口絵や伝説的袋綴じページ※も再現。※閲覧注意:本書は底本で袋綴じとした糞のカラー写真を巻末にそのまま掲載しております。


単行本刊行後から現在までを語る、著者の文庫版あとがきも掲載。
文庫化でさらに「糞力」がパワーアップした。

21世紀の奇書誕生!
意識的野糞を始めて35年。
元菌類写真家・伊沢正名氏は、糞土師(ふんどし)として、連続野糞記録3000日、のべ1万回以上の大記録を樹立した。

一見、奇行とも思えるその行為の背景には、食べることばかり関心をもち、排泄物には興味を持たない、表層的エコロジーブームへの強烈なアンチテーゼがあった。
雨の日も風の日も、田舎でも都会でも、はては「明日のウンコを今日出す」秘技をもって長時間の飛行機での移動にも耐え、自分のウンコをすべて土に返すという信念に殉じ、伊沢は野糞を続ける。

なぜ、著者がライフワークとして野糞を企図するに至ったか? 
迫り来る抱腹絶倒の試練。ついにたどりついた世界初!ウンコ掘り返し調査の全貌と、世界でもっとも本気にウンコとつきあっている男のライフヒストリーを通して、ポスト・エコロジー時代への強烈な問題提起となる記念碑的奇書を、より多くの人の手へ。

目次

口絵 美しい日陰者の世界/お尻で見る葉っぱ図鑑

プロローグ 日々のいとなみ

1章 夢は仙人
とある事件/高校中退/山へのひとり旅/自然保護活動

2章 怒りの野糞
キノコとの出会い/人生を変えた一冊の本/新春キジはじめ/キノコと野糞

3章 野糞率アップへの道のり
野糞率三三%/新婚旅行の黄色い思い出/ウンコの逆ツララ/三年目の意気込み/紙から葉っぱへ/ウンコの全記録をとる/わざわざ途中下車して野糞する

4章 野糞の醍醐味
野糞は心身の解放だ/うまく人目を避けるには/野糞は野生に還る闘いだ/林の消失は我が身の「痛み」

5章 野糞とキノコの幸ウンな出会い
野糞跡にキノコが生えた!/明日のウンコを今日出す/ついに野糞を公表する/野糞が私をキノコに導いた/キノコは地下からの手紙

6章 ネパールで学んだこと
都内初野糞に挑戦/初めての海外、ネパールの旅/王宮に野糞を見た/男は山へ、女は川で/エベレスト街道トレッキング/ウンコの見えない社会

7章 究めればインド
ちり紙の衝撃/ついにインドへたどり着く/インド式野糞法を確立/夢のインドビンはナポレオン

8章 伊沢流「正しい野糞法」
場所選び/葉っぱを用意する/穴を掘る/脱糞と後始末/排便コントロール/ウンコ持ち帰りについて

9章 お尻で見る葉っぱ図鑑
拭き心地のよい葉っぱの条件とは?/春から夏の葉っぱあれこれ/秋から冬の葉っぱあれこれ/番外編ー葉っぱ以外の優れもの

10章 消費されゆくキノコ
今関先生亡くなる/キノコの本作りへの疑問/南方熊楠ブームに思う

11章 尻は野山を駆けめぐる
会津駒ヶ岳スキーツアー?ヘリとの遭遇/千葉・清澄山?吸血ヒルの恐怖/ニュージーランド?遭難事件/北海道・雨の大雪山?オーイ事件/西表島?日本最南端での野糞/北海道・阿寒町ーウンコの真髄を写す/東京ートラウマを乗り越えて/ここでちょっと懺悔

12章 美は糞上にあり!
コケの遺影を撮る/野糞に誘う草の智恵/厳しかったコケ取材/ウン上の貴婦人、マルダイゴケ/北岳山頂で究極の野糞/都会での野糞は早朝にかぎる/糞上のクリスタル、ミズタマカビ

13章 野糞率100%へ
野糞の記録を集計する/地図で野糞の場所探し/目標から信念へ/またまた野糞の効用/ニュージーランド旅行を乗り切る/最後のふんばりで、100%達成/もう写真をやめてもいい

14章 千日行に挑む
無念のトイレ/伝道コケ師/野糞がとりもつカミさんとの出会い/電子蚊取り器は使えない/サルに石を投げられる/最低と最高の高速道野糞/谷底転落の恐怖

15章 襲いかかる試練
南米野糞ツアー/脱糞先生の悲喜こもごも/小便の罰、大便に下る/あわやニセ警官に……/夜の渋谷で二人組に……/イノシシとの遭遇

16章 「糞土師」誕生
千日行達成ー感激のウンコ料理パーティー/キノコからウンコへ/ウンコサインの拒絶者はたったひとり/二千日連続野糞達成/ウンコが主役の講演会/「糞土師」誕生/糞土研究会発足/一万回目の野糞

17章 ウンコはいかにして土に還るか
ウンコの分解過程を撮影せよ/入念な調査準備/四ヵ月にわたる調査野糞/野糞跡を掘る/ウンコの形状の変化/ウンコの匂いの変化/形状と匂いの関係/ウンコの状態と環境の影響

18章 ウンコに集う生きものたち
未知との遭遇/【動物編】/【菌類編】/【植物編】/掘り返し調査を終えて

19章 深まる野糞論議
野糞跡掘り返し調査、冬の陣/ついに糞土の味をみる/進化する野糞講演会/研究者へのお願い/野糞はもったいない?

エピローグ トイレのない世界
野糞は軽犯罪法違反?/みんなで野糞をはじめたら?/トイレのない家

あとがき
野糞年表

巻末袋綴じ
ウンコの世界へようこそ 野糞跡掘り返し調査の記録
※閲覧注意:本書は底本で袋綴じとした糞のカラー写真を巻末にそのまま掲載しております。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

325
最高。キノコを研究していた人物がひょんなことから野グソをはじめ、最終的にはトイレで用を足さなくなるまでのいきさつを語りつつ、初心者のための野グソの作法を伝える、ノンフィクション実用書。これ一冊で、誰でも、どこでも、野グソができるようになる。しかも、言葉の選び方やユーモアのセンスが抜群なので、電車で読んでいると思わず噴き出しそうになるおもしろさ。しかも最高なのは、解説にもあるとおり、著者本人が非常に常識人で、自身の行動に抵抗感がありながらやっているところが、かなり興味深い。2017/10/02

マエダ

62
著者も最初から常軌を逸っしていたわけではない。一般人が高みへ昇る過程を本書からは垣間見れるところが良い。2018/11/20

goro@80.7

51
林道ツーリングをしている時、出物腫物ところ選ばずで初めてしましたが、俺のも土に還って貢献したのでしょうかね。忌避してしまうウンチのこれでもかとの野糞へかける熱いお話でした。食物連鎖の鎖からは外れている人間は何を還せるのか考えちゃうね。みんなしてるのにウンチの話しないし研究してる人いるのかな?伊沢さん凄いわ。袋とじもちゃんと開けたけど、自然は凄かった。いやぁ~大変面白く考えさせられた本でした!2021/10/26

hatayan

48
野外で大便をする「野糞」に目覚めたキノコの写真家の著者が、ウンコと自然保護について詳しい観察記録を添えて熱く語る一冊。時間とともに姿を変えるウンコを実際に賞味して変化を確かめる姿勢には突き抜けた個性を感じざるを得ませんでした。ウンコは必ずしも汚いものではなく自然の中で循環する資源とするエコロジカルな思想は一定理解しますが、ウンコは不潔で遠ざけられるべきものと刷り込まれてきた自分にはキワモノの感覚を最後まで拭い去ることができませんでした。人間のウンコが変化していく姿を写した巻末の袋とじをまだ開けずにいます。2021/01/10

Yamazon2030

44
2016(38)読了娘が図書館で借りてきたうんこの絵本に衝撃を受けて、著者の本を購入。本屋で予約してする際、エッチな本よりも恥ずかしかった。内容は、著者が半生が認められながら、きのこと野糞に惹かれていく様が軽快なタッチで描かれる。始めは笑いながら読んでいたが、途中から野糞とキノコの研究や生態系のあり方など真面目なものへと変容していく。人間のうんこはきのこや動物・昆虫のご馳走だなんて目からウロコ。お尻拭きの葉っぱの研究にびっくり。とぐろウンチの写真になおびっくり。今年最高の一冊となりそうです(≧∇≦)2016/08/21

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