内容説明
横浜・元町の古びた靴修理店「コルドニエ・アマノ」。几帳面で偏屈ながら確かな腕をもつ店主・天野健吾のもとには、奇妙な依頼ばかりが舞い込んでくる。霊が憑いている靴を修理してほしい、ハイヒールの踵を取ってフラットにしてほしい――。天野は「靴の声」を聞きながら、それぞれの顧客が抱えた悩みも解きほぐしていく。心温まる連作ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
157
★★★☆☆18017 このベタなタイトルを見たとき「んー?ふしぎなメルモちゃんじゃあるまいし。。どうなんだろ?」と期待はしてなかったんですが蓋を開けてみたらなんだか楽しめちゃいました。この作家さんの作品を読む度に思うのですが、この方は好感持てる文章を書くのが上手いなぁと。なんてったって靴屋さん?という範囲狭目なところを突いたお仕事ミステリー的な5連短ですから謎解き規模は小さ目。にもかかわらず塩梅よく読ませるんですからね。すみっこごごはん等の料理系作品も好きですがこれもアリでした。(^-^)//""ぱちぱち2018/02/25
ぶんこ
65
穏やかな人々が働く職場、物語が好きなので、京香の傲慢なところ、天野の頑ななところが好きになれず、唯一靴のウンチクが面白いのと雄大君と牛久さん、玲子さんの存在が救いでした。靴には詳しくないので何度もウイキペディアで検索しました。自分の足に合わせた靴、一度は履いてみたいですね。2017/03/06
ゆきちん
57
「コルドニエ」ってフランス語で靴屋って意味なんだって。偏屈でとても優秀な靴職人天野、お菓子作りが趣味で人形と話す見習い雄大のいる靴作り修理店で働く事になったデザイナー志望の京香。きっかけは天野の友人である彼氏の紹介。店に持ち込まれる靴たちの謎を天野がとく連作短編5つ…と思ったら、さすが「東京すみっこごはん」の作家さん。あれよあれよの展開で最後は…まぁそうかな?と思うとおりの部分もあったけど充分面白かったです。2017/04/21
たるき( ´ ▽ ` )ノ
47
意外と楽しめたかな。靴職人に作ってもらう自分専用の靴・・・憧れる。そういう靴を大切に履いている人にも憧れる。登場人物はいまいち魅力に欠けるけど、なんか満足感があった。2020/05/26
ありす
39
初読み作家さん。彼氏の紹介で靴修理店『コルドニエ・アマノ』で働くことになった京香。店主・天野は変わった人物だが靴に関する腕は確か。奇妙な依頼ばかりの5編だが、靴の声を聞ける天野にかかれば顧客の悩みも一気に解決!?既製靴しか履いたことがないので、オーダーメイド靴というものにとても興味深く楽しく読めました。続編でもあるのかなというくらい最後の方まで人物の謎が残っていたのですが、最後の最後でパッと全て回収され、スッキリとした終わりでした。2019/08/10