内容説明
トマス・ホッブズ、カール・シュミット、長谷川如是閑の研究を通じて、「自由・平等・平和」の思想を追い求め続けた氏の軌跡を集成する待望の著作集。第1巻は氏の原点とも言えるホッブズ研究より、1950年代から80年代までに発表された先駆的論考を収録。フィルマー、ロック、ルソー、シュミットらとの徹底的比較により、ホッブズの政治思想に新たな光を当てる。
目次
第一章 ホッブズ――近代国家論の生誕
第二章 ホッブズとハリントン――体制の危機認識における二つの立場
第三章 ホッブズとフィルマー――ボダンの主権論との対比において
第四章 ホッブズとロック――R・フィルマーの「神授権説」との対比をめぐって
第五章 ホッブズとルソー――『リヴァイアサン』と『社会契約論』の継承関係をめぐって
第六章 ホッブズとシュミット――政治思想における「イギリス」と「ドイツ」
第七章 トマス・ホッブズのピューリタン革命観
――『リヴァイアサン』における〈絶対〉主権論の現実的意味
第八章 ハントンの「制限・混合王政」観
――ピューリタン革命初期における「法の支配」観念と「議会主権」論の政治論的接合契機
第九章 フィルマーの『家父長制論』――革命前の反王権理論の諸類型との関連で