内容説明
夫、妻、双子の男児、そしてもうすぐ女児が生まれる幸せな家。そこにひとりのベビーシッターがやってきた――33歳のゾーイは、巧みに反抗的な双子をてなずけ、夫は彼女を信頼するようになる。だが、妊婦のクローディアにはなにかがひっかかる。ひそかに家のなかのなにかが微妙に変わっていく。そのころ、街では妊婦が残忍な手口で惨殺される事件が起き、さらに同様の事件が……全世界の女性をうならせた、衝撃の結末が待つサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
57
待ち望んだ妊娠、得体の知れぬベビーシッター、妊婦の腹を裂く殺人鬼。徹頭徹尾妊娠に絡んだサスペンスだった。内容も三人の女性の視点からストーリーが進行していく体で、その誰もが家庭に絡んだ悩みを抱いている。一人称由来の所謂信用のできない語り手で、どれもが伏線に思えて一行たりとも油断は出来ない。押しらむは事件自体がなかなかストーリーに絡んでこない点。大部分が語り手の悩みに費やされ、どうも冗長に感じてしまう。終盤の裏返し方と畳み込みは面白かったけれども。それにしてもメイントリック、ばれずに済むものかなあ。2016/05/07
のぶ
45
この本の裏表紙にあるあらすじを読んで、本書を読むとミスリードされる恐れがある。間違った事を書いてるわけでなく、そこからすでにネタバレを避けている文章だから。これから読まれる方は先入感を持たず、白紙で臨まれる事をお勧めします。ですので内容はあまり書けませんが、自分の子供に対しての執着は、生あるものの本能だと思うけど、そんな部分を上手く使ったサスペンスだと思う。女性と男性で印象の分かれる小説じゃないでしょうか?人の心ほど怖くて不思議なものはない。2015/09/19
星落秋風五丈原
44
冒頭、名前を明かさない女性の独白。子供を母親からも望まれていながら、未だ母となれていない。そして母親となる事を諦めていない。冒頭の人物と後に出てくる登場人物との関連はすぐには明かされない。原題と邦題の間には差がある。邦題はユー・アー・マイン。原題はアンティル・ユー・アー・マイン。大筋は違わないが、邦題は「あなたは私のもの」という状態が今既に起きている。原題は「あなたがわたしのものになるまで」つまり、現在は「私のもの」ではない。しかしいずれ「私のもの」にする、という強い意志が見て取れる。2018/06/08
ゆう
35
こ、これは…最後の一行にやられた。出産間近の妊婦がお腹を切り裂かれる連続殺人事件が発生。怪しげな家政婦、出産前で情緒不安定な妊婦、事件を追う刑事夫婦。暑さに負けてミステリー・サスペンス脳じゃなくなって中断しちゃったけど、最後の一行にたどり着けてよかった。それまでの流れもなかなかで、登場人物全員が何かしら怪しい雰囲気を醸し出してたけど、アノ人のアレは想像してなかったよ~!「アレックス」に対抗したのかな?って思った表紙に流されて購入したけど、ハラハラドキドキのサスペンス、読みごたえバッチリだった。2015/08/10
siva
25
二人の「私」が語っていく話。あまりにも思わせぶりな書き方でこの人は犯人じゃないなとすぐ思ってしまう^^;結構面白かったけれど妊活中の人には読ませられないな。それにしても表紙絵はあざとすぎでは。2015/10/04