きのうの世界(下)

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きのうの世界(下)

  • 著者名:恩田陸【著】
  • 価格 ¥628(本体¥571)
  • 講談社(2015/06発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062770385

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内容説明

塔のある町が抱える秘密を住人たちは何も知らない。夜に塔を見てはいけないという町に伝わる不思議な教え。亀とハサミと天の川のステンドグラスが表す意味とは。殺された男は駅の掲示板に奇妙な貼り紙を持ち込み、誰かと連絡を取っていた。彼は町の秘密に触れてしまったのか。雨が降る。町の本当の姿が明らかになる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

213
(承前)殺された男の行動に関する証言が集まるにつれて、ようやく住民たちも空気に含まれた不穏さを嗅ぎつける。土地の歴史と代々受け継がれてきた秘密も耐えかねるように膨張し、遂には豪雨のただ中でカタストロフを迎える。登場人物の記憶が錯綜し、無関係と思われていたものが結びつき収斂していく。こうした謎が少しずつ解明されていくプロセスを描く点で、作者の文学的テクニックは最高度に発揮される。ただ様々な伏線をすべて回収し切らなかったのは、ラストに訪れたこの世ならぬものの不安定さをきれいに提示するのをためらったからなのか。2022/12/12

kishikan

89
読み進めるにつれ謎が深まりもやもや感が濃くなる上巻、謎のベールが一枚一枚はがれ少しずつ晴れ間が見えてくる下巻。そうか新聞連載だったのですね。道理で細切れな展開という感じがするわけだ。さて、水路のある町の謎については壮大なスケールにおおと唸り、ラスト部分の殺人事件やそれに関した謎解きもなるほどそうだったのか、と納得。でも、でもですよ、いくつかの謎は解けていないのです。どうしたんでしょう。写真家の鈴木理策さんの解説にもあるけれど、この結末への筋書きは最初から構想されていたものか否か。うーん、これが最大の謎だ!2011/11/09

優希

81
塔のある町の秘密が1つの鍵になっているように思いました。町に不思議な教えが伝わるのは、ステンドグラスが影響しているのでしょう。「見る」ことを目的に書かれたような気がしてなりません。身近な人が殺害されても受け入れてしまうのに違和感を感じました。遠い世界に見える世界が実感として感じられれば、成立する物語だと思います。2019/07/03

な〜や

79
上巻で沢山の謎を投げ掛けられただけに、この下巻で一気に伏線が回収され「殺人事件」の犯人の正体が明らかに!という期待を胸に読み進めた。結末は……ちょっと拍子抜け。これはミステリーというよりファンタジーかホラーのカテゴリに入るのかな。これがいわゆる「恩田陸ワールド」なのだろうか。ミステリーとしては微妙だったけど、幻想的・神秘的で少し不気味だけど美しい独特の世界観が味わえた作品だった。2014/06/18

*мiкi*

68
この迷い混んだきのうの世界からまだ抜けられないでいる…弟は消えたのか? 女の子がキャラメルを一度ポケットにいれたのか? 物語って続くのかな2023/04/09

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