内容説明
楽園を追放されたアダムとエヴァ、兄弟殺しのカインとアベル、ノアの箱舟、神に滅ぼされた悪徳の町・ソドムとゴモラ、父と娘が子をなすロトとその娘――少女がお兄さんに誘われて扉を開いたのは近親相姦、殺人、男色、何でもありの世にも奇妙な聖なる書物。鬼才の芥川賞作家が描く、残酷でみだらで魅惑的な旧約聖書の世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かのこ
58
自分勝手なお母さんと気持ち悪いお父さんと暮らす少女は、パンツ泥棒疑惑のお兄さんから不思議な聖書の話を聞く。図書館でぱっと目に止まって。私自身は特定の宗教を信じているわけじゃないけど、中高で聖書を使う授業があったので、今でも聖書関連の本って気になる。聖書で起こる出来事は、時に理不尽で、暴力的で、理解に苦しむ事ばかり。それはたとえ話、と分かってはいるけど、未だに自分の中で腑に落ちるほど噛み砕けない。この本を読んでもそれは変わらないけど、これからも聖書関連の本は読みたいな。世界一のベストセラーは伊達じゃない。2017/11/10
いたろう
49
書名を見て、「聖書」というのは例えで、少女にとって大事な秘密の書、というくらいの意味合いかと思ったら、本当に聖書、それも旧約聖書の話だった。それでも、映画「エクソダス 神と王」を観たばかりで、モーセの出エジプトやそれを含む旧約聖書に興味を持っていたところだったので、この平易な文章で書かれた旧約聖書の物語は、とても興味深く読めた。一方で、旧約聖書の話を聞く少女の身の回りの物語は、何だか雑音としか思えず、全く余計な戯言。これならば、ただ普通に旧約聖書の話だけを書いて欲しかった、と思うのは自分だけではないはず。2015/02/22
らむり
46
うーん。あらすじ盛り過ぎ? 期待ほどではなかったかな。2015/01/29
NADIA
40
うーん。私は信者でないので、聖書をあまり真剣に読んだ事はないが、ごくたまに聖書の文章に触れるとかなりの違和感を感じてしまう。すっと意味が頭に入らない、というか脳が拒否しているのではないかと思う程(^^;; なんかの比喩なのだろうと思うのだが、そのままの文章通りの意味だと気持ち悪く思える箇所が結構ある。語り手の女子中学生はとても自然に受け止めているが。とりあえず、神が作った最初の人間アダムとエヴァの息子カインの「嫁」って一体何者なのか誰か教えてほしい。2017/12/28
そうたそ
29
★★☆☆☆ いまいち作者の狙いが分からなくて戸惑った。現実世界と旧約聖書のエピソードをリンクさせたような作品にしたかったのだろうか。その割には繋がりが薄いような気もするし、旧約聖書をそのまま訳したような部分には何の捻りも感じられない。確かに旧約聖書に興味を引かれた部分はあるけれど、それならば別にわざわざこの作品を手にする必要はないわけだし。やりようによっては面白い作品になったのではという気がするだけに、ちょっと残念な出来だったと言わざるを得ない。後半からはほぼ読み飛ばしてしまったなあ……。2015/02/19
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