山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 単独行者 新・加藤文太郎伝上

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 単独行者 新・加藤文太郎伝上

  • 著者名:谷甲州
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 山と溪谷社(2015/06発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635047531

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内容説明

構想35年。ヒマラヤ登山の経験を持つ作家・谷甲州が、史実を基に伝説の登山家・加藤文太郎を描ききった長編山岳小説の上巻。
雪山登山がまだ一般的でなかった昭和初期の時代に、案内人も雇わず、ただ独り雪の北アルプスを駆け抜けて風雪の北鎌尾根に消えてしまった加藤文太郎の生涯がリアルに浮かび上がる。
加藤の遺稿集『単独行』を徹底的に分析し、独自の解釈によって生み出された文太郎像は、新田次郎の『孤高の人』とはちがったキャラクター設定となっていて興味深い。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gonta19

96
2015/4/22 Amazonより届く。 2016/12/5〜12/13 新田次郎版とは違う、加藤文太郎伝。新田版を読んだ時から、自分の登山経験は増えているが、ここに書かれている行程は驚異的だ。加藤が歩いている様子を一度で良いから見てみたい。しかし、加藤さん、ほんとにこんなに口べただったんだろうか。今とは登山の立ち位置が違うとは言え、大変勿体ない気がする。下巻も楽しみ。2016/12/13

キク

64
新田次郎が「孤高の人」で描いた加藤文太郎を、谷甲州が描きなおした。山岳小説って、新田次郎と夢枕獏しか知らなかったけど、谷の描く山と加藤は凄くよかった。冬山を単独でという、登山界の常識を覆す異端はどのように生まれたのかが、丁寧に説得力をもって書かれている。実直に山と向き合う加藤が魅力的だ。僕は読書に救われて生きてきたような人間だけど、正直言うと、文豪なんかより登山家達のほうが人間として好きだ。存在証明をウダウダやってるより「それがそこにあるからだ」というスタンスで人生に向き合うほうが健全だよなぁ、絶対。2023/02/06

翔亀

50
新田次郎「孤高の人」は山岳描写の厳しい美しさと単独行者の屹立する精神により山岳小説の白眉だと思うが、それを超えるかもしれない。新田は加藤の職業訓練生時代や戦前の労働運動を創作することで加藤の悲劇性を顕わにする、谷甲州は加藤の登山だけで全てを語る。上巻では全てが加藤の遺した文章を基にしている。加藤の著作は輝きドラマ性がある(例えば1930年剱岳・剱沢小屋の雪崩遭難事件の犠牲者とその前日行動を共にしている)が、事実が淡々として述べられるだけで心情描写がなく味気ないが、加藤に成り代わって再現して見せる。2015/07/19

はるを

33
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎。加藤文太郎というクライミングアーティストの登山列伝、武勇伝。初読み作家さんでしたが、とても読み易かったです。若さ故の不器用さと、とんがった考え方は半分は気持ちがとても理解出来て「解る、解る。そうだよね。」と思っていたが、半分は「そうじゃないでしょ?文太郎くん。」と思っていてその狭間で揺れていた自分がいた事が楽しかった。まぁ、こんなやり方やっていたらそりゃいつか遭難するよね。そんなに死に急ぐなよ、文太郎くん。劇中で出て来た山男達が意外とみんな小さい男だなぁ、と感じたのが笑えた。下巻へ。2016/11/10

saga

25
序で加藤遭難を書き起こしてくれて良かった。単独行者・加藤文太郎を最初は小説『孤高の人』で、次に自伝『単独行』で人となりを知り、最後に本書で締めくくろうと思った。他人と一緒に行動するより単独を好む彼を私は理解できる。そして、里歩きから無雪期の登山に移行し、夏山では満足できずに冬山へと突き進む様がよくトレースできた。「一月の思い出」の中において、加藤が後に遭難する一行の幻影を見た記述は何を基にしたものだろう? 単なる文章の高揚のためだとするならばいただけない……2018/01/08

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