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内容説明
著者が自らの体験談を豊富に織り交ぜて戦後史を語った、異色の経済書。
日本経済の変貌が著者個人の視点と経済学者としての大きな視点の両方から描かれます。
最初の記憶は、4歳のときに遭遇した東京大空襲。
戦後復興期に過ごした少年時代、1964年の大蔵省入省、アメリカ留学、そして80年代のバブル、90年代・2000年代のグローバリゼーション--。
日本経済は、ダイナミックな成長と成熟を遂げる半面で、
経済思想や政策手段の中に、戦時経済体制的なものをいまだに残している、と著者は指摘します。
戦後70年を迎え、日本経済を改めて理解するための必読書です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
29
国家に対する不信の原点(004頁~)。日本国民よりドイツ国民の方が戦時下、的確な対応を知っていたようだ。これは、戦後賠償の仕方や、現代の放射能への処し方に明確に表れている。ドイツは環境保全も立派である。鬼の居ぬ間の公務員改革(029頁~)。日本の官僚は、フーバーが帰国したのをいいことに、人事院独立規定やストライキ権認めないなど、官僚のご都合主義で削除・訂正したという。国家公務員法の成立背景である。無謬性もおかしいけどね。大蔵省の人々(095頁~)。2015/09/04
楽
13
本書では「40年体制」と呼ぶが、戦争遂行のため国家の総力を戦争に振り向ける「国家総動員体制」、戦後も残り(いわゆる日本型社会主義)、高度成長を達成し石油ショックや円高も克服したが、やがてバブルに至って崩壊する。しかしいまだ40年体制の思考からは抜け出せず、アベノミクスも中身は戦後レジームへの回帰。本書にあるように、安倍首相の政治姿勢は保守主義ではなく社会主義(たしかに岸信介も「アカ」と評されていた)。「働かなくても豊かになる」のはおかしいが、「豊かになるには、まじめに働く必要がある」をいまどう実現するか。2016/09/24
たばかる
12
2015年著。筆者が1940年東京生まれであり、大蔵省•文部省の後に大学教員として活躍していた背景があるために経済史の内容に対して作者の体験が絡まってハッキリした印象を受けた。さて副題における経済における日本の間違いについては第一に、オイルショック対応における成功が日本型型経済システムに対する過大な評価を招いたこと、第ニに、戦後から続いてきた日本の垂直的分業が情報産業の隆盛からなる大きな産業構造の変化に対応できなかったことを挙げている。2019/05/06
Francis
12
戦後の驚異的な日本の経済成長は1940年代、総力戦遂行のために形成された「1940年体制」と言う計画経済的な経済体制のお陰であるという視点から書かれた戦後経済史。重工業主体の経済成長にはうまく適合した1940年体制もバブル崩壊と同時に終焉を迎えてたにもかかわらず、市場重視経済への移行が上手く行っていないゆえに日本経済は停滞している、という趣旨には全面的に賛成。アベノミクスも所詮は時代遅れの1940年体制の生き残りを図ろうとしているに過ぎない、とも。2016/10/30
cape
10
戦後の日本経済を著者の経験を交えて時系列で振り返る。著者の鋭い洞察力は歴史を振り返る際にも、一般に認識されているのとは別の視点、問題を投げかける。戦後に残された戦時体制、バブルの本質、円安誘導等々に、一般常識が間違っていることを示唆していて興味深いし、実際に著者の主張は的中してきたことから説得力もある。著者が感じてきた「違和感」には、物事の本質をとらえるヒントがあるように思う。2015/07/04
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