不幸論

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不幸論

  • 著者名:中島義道
  • 価格 ¥579(本体¥527)
  • PHP研究所(2015/06発売)
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  • ISBN:9784569762937

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内容説明

世に蔓延する「幸福でありたい症候群」。その幸福感は、「死」の存在や世界の不条理から目をそむけることで支えられている。著者は、長年の哲学的考察のはてに「あらゆる人生は不幸である」という結論に辿りつく。この真実を自覚し、自分固有の欲望と向きあったほうが、「よく生きる」ことになるのではないか。ヒルティ、アラン、ラッセル……古今東西あふれる「幸福論」と、その信者たちの自己欺瞞を鋭く指摘した、誰も書かなかった「不幸論」の哲学。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

団塊シニア

58
世間に迎合して自分の信念を曲げたくないという作者、一般の幸福論を真っ向から否定してるが後半の部分にこんな一節が印象的である、「私は幸福を感じることを恐れる、なぜなら私が幸福を感じたその瞬間に恐ろしくなるからである」本書を読むと作者自身不幸であることを強調していながら根底には幸福にたいする強いこわりがあることが理解できる。2015/05/21

sasara

19
飛行機に乗る時は必ず堕ちるだろうと期待して乗り込む哲学博士による理想な幸福は幻想に過ぎない自身が死ねかぎり幸福はないので他人評価より自分本位に生きることを勧める。アラン「幸福論」幸福は天からは決して降ってこないの裏表かも。 著書はこの手の本を多数出版し国立大学教授で世間的には成功し幸せだろうと想われているが(笑)2021/07/31

金吾

14
著者の考え方は好きですが、この本はこんな考えもあるねえというくらいでした。所々面白いですが全体としてはやや冗長かなと感じました。死ぬ限り、いかなる形でも幸福はないという考えや不平を言いながらも正確に計算して賞賛される要素をよく見える形で隠しておくという発言は成る程と思いました。2020/09/10

テツ

12
「自分は今幸福である」という思い込みは根拠のない盲信であるんだろうなと思う。思考することに怠惰になり『幸福とは何か』『人生とは本当に幸福なものなのか』ということについて考えることを放棄しなければそこに留まることはできない。どんなに生きても最期には死に絡め取られること。人生は不条理で自分の力ではどうしようもないことで構成されていること。その根本を直視することから逃避して「自分は幸福である」という思い込みに逃げるよりも幸福を感じることなく世界の在り方、自分の在り方について考え続ける人生こそが誠実なんだろう。2015/05/31

はる

5
世の多くの人は幸福になりたいと願い、それを比較的簡単に手に入れることができると信じている。幸福論には、そういう人々に迎合する怠惰な響きがある。すべての人の欲望、感受性、趣味嗜好、信念は一致するというなんの根拠もない想定のうえにあぐらをかいて、他人を幸福にすることの果てしない難しさを直視しようとしない。自分がいつでも不幸であることを自覚するとは、醜いこと、理不尽なこと、偶然的なこと、不可解なことに蓋をしたり、無理に納得しようとしたりせずに、そのままそれらを承認することである。2019/06/23

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