内容説明
佐藤浩市主演映画ノベライズ。
北海道、美瑛。四季折々の彩り豊かな風景を見せてくれる美しい大自然のなかにたたずむ、赤い屋根のログハウス。第二の人生をこの素晴らしい景観のなかで過ごそうと、篤史と良子の夫婦は、長年住み慣れた東京から、この地にやってきた。
良子は篤史に家を囲む石塀作りを頼んだが、持病だった心臓の病を悪化させ、帰らぬ人となってしまう。失意の底に沈む篤史だったが、そんなある日、良子からの手紙を受け取る。そこには、石塀をぜひ完成させてほしい、と綴られていた。それからも、良子からの手紙は、次々と篤史のもとに届き続けた――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おくちゃん🌷柳緑花紅
77
残された時間はどのくらいなのだろう。気丈にしていても不安や恐怖はいつも心の隅に巣くっていて、隙あらば打ち負かそうとする。心配かけまいと病を隠し通した彼女は、優しいけれど不器用な夫に宛てて手紙を。何度も涙で文字が滲んだ。夫婦二人の終の住処の石塀を一つ一つ積み上げていく中で気付いた事は。。。2015/07/15
ひほ
28
映画を思い出しながら読みました。佐藤浩市と樋口可南子のキャストがぴったりとくる話でした。2015/09/21
みき。
10
これは映画を観たら号泣コース。かなりあっさりまとめられてるような気はするけどうるうるした。素敵な夫婦愛の物語。2015/07/06
来未
9
北海道美瑛に東京から移住した篤史と良子。しかし、良子の体は重い心臓病を患っている…そんな中、一枚のスケッチとの出会いから、良子の願いで家の周りに石塀をつくることに…スケッチとの出会いや良子の想いが、徹や紗英、紗英の両親との出会いに繋がる。 文中、印象に残るフレーズがあった。篤史と良子の夫婦のことで「お互いにお互いしかいない」というのがあった。信頼関係あっての夫婦生活。お互いが支え合う姿を感じられる。 2020/03/08
ophiuchi
9
同名映画のノベライズ。熟年夫婦の出逢いと別れが描かれ、同世代の胸に響くものがあった。映画では美しい映像が楽しめそうですね。2017/10/12
