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内容説明
年収3000万円を豪語する人材派遣会社の20代社員が、自分の親世代の中高年を時給数百円の日雇い派遣で酷使。「ほんとにおまえは馬鹿だな」「中高年は汚いからダメ」「てめえみてえなじじい、いらねえから」……。いったい、これのどこが「労働者にとって有益な雇用形態」「特別なスキルを活かした熟練労働」なのか? 規制緩和の弊害と歪んだ労働市場の現実……。労働者をモノ扱いする政府・厚労省の欺瞞を暴く! (講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
205
読み進めていくとどんどんこの国の派遣業のクソさに気付かされた1冊。なんとかならんもんかなぁ。2015/05/04
kinkin
61
派遣法改正が成立した後に読んだ。2000年頃から急激に増加した派遣。人件費は年金や健康保険など会社負担分が減るだけでも大きなメリットがある。その派遣の期限が3年を超えてもいけるとなれば会社、企業が¥としてはこんなありがたい法律はないと思う。派遣というものにほとんど無縁の国会議員先生方はこの本の内容をどこまで知っているのだろう。国会も居眠りやアクビ多発ならこれこそ派遣でも構わないのではないか。と感じた。派遣会社で大手を振っている社員もいずれは同じ目に遭うことを肝に銘じてほしい。2015/06/21
GAKU
48
派遣業界の極々一部の、悪質な面ばかり書いている。業界に悪意があるとしか思えない内容。派遣業界を知らない人に、間違ったイメージを与える。2018/12/17
壱萬弐仟縁
47
人材派遣会社は好き勝手に労働者を搾取して利益を上げられる(8頁)。健全な労働とは、雇用主と労働者の間に信頼関係があって初めて成立。ばっきゃろう、制服はここで脱ぐんだ! おまえらが25秒で作らないと、うちは赤字なんだよ(38頁)。派遣労働者に人権はないようだ。人材派遣会社の業務とは極端な話、電話とパソコンで連絡するだけだ(40頁)。日本の同業界は、労働者を人間でなく、ロボットより低コストで需要の増減に即座に対応できる画一的人間型マシンと位置づけ指示通りに働かせるという(41頁)。2016/01/21
リキヨシオ
28
ここまで過酷だったら…逆に嘘だと思いたい!ただ著者の実体験も描かれているから…一部の中高年派遣労働者がモノ扱いされているのは本当か。少子高齢化が進み、収入の格差と共に少数の若者が大多数の高齢者を支えるという近未来、この問題は他人事ではない。「長年蓄えた特別なスキルを活かした労働」という狙いと「マニュアル化による単純化と使い捨て可能で必要最低限の費用で莫大な利益を生む」システムとの矛盾。あと派遣労働者を上手く使いこなさないと生き残れない派遣会社の社員、利益を享受する経営者の目線も知りたいと思う。2015/04/28