内容説明
大竹しのぶ、三浦春馬、水川あさみ、三田和代、ほか出演で上演中! 5月31日(日)まで東京・Bunkamuraシアターコクーン、6月6日(土)~14日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホール/アメリカ南部の田舎町。病気で伏している雑貨店店主ジェイブを夫とするレイディ。二人の夫婦生活に、もはや愛はない。ある日、この町に現れたのは、蛇革のジャケットにギターを持った若い男ヴァル。レイディは野性味あふれるヴァルに惹かれ、希望を見出す。レイディが手にした愛の代償とは……。ギリシャ神話の英雄オルフェウスの話をもとに発表した『天使の闘い』の改作戯曲。マーロン・ブランド主演で映画化もされ、話題に。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
113
流れ者のハンサムな男ヴァルと雑貨店を切り盛りする女性レイディの交情を描く三幕の劇。ヴァルがギターを弾くせいか、ロバート・ジョンソンのブルースがBGMとして似合うような気がした。ウィリアムズの他の劇と同じように、救いが示されることはなくて、生きることの哀しみや徒労がストレートに伝わってくる。第一幕のヴァルの台詞の足がなくて、翼が透明な鳥のことが忘れがたい。この鳥は飛び続けるしかなくて、地上に降りてくるのは死ぬ時だけだ。この鳥はウィリアムズの生き方や彼が描く世界を象徴している。2016/08/07
アナーキー靴下
60
「愛?」「それがいつわりの答えだよ。阿呆がおおぜいだまされてきた、俺もあんたも、それが神の真実だよ」どんなに恵まれていても、何一つ諦めることなく欲しいものを手にし続けられる人間はいないだろう。手にしたと思っても、壊れたり見失ったりで、いつの間にか代用品を抱えさせられている。小学生の時、教科書で読んだ『花いっぱいになあれ』、どれだけ美しい花が咲こうが、しぼんでしまった大切な大切な赤い風船の代わりには絶対にならないと思った。しかしレイディは、そうやって形を変えてゆくものを愛し、生き切ったのだ。美しく力強く。2023/08/05
絹恵
47
此処ではない何処かへ、距離ではなく心の在りように、変化を齎してくれそうだと乞うことは、現状の限界度をより理解させました。竪琴を持つ吟遊詩人ではなく、ギターを片手に野性と社会性を兼ね備えた青年は、閉鎖的な夫を持つ彼女には、酷く魅力的に映ったのだと思います。しかし運命の環から逃れられないそれは神話に擬えているからこそ、余計に苦しくさせました。2015/09/23
tona
9
ギリシャ神話、オルフェウスの物語を下敷きにした戯曲。流れ者のヴァル(=オルフェウス)の野性的で、動物的な色気が行間から滲み出ている。こんなに色っぽくていいのか。2015/06/06
kokekko
6
「この地上に生きてるかぎり、自分の皮膚というさみしさの殻は破れない!」「いっそ死にたかった、だけど死にたいときに死神は来ない、死にたくないときにやってくる!」。『地獄のオルフェウス』ってタイトルは知っているけれどどんな話なんだろうと思って読んでみたら、地獄のオルフェウスとしか言いようのない物語だった。おさるさんは死にました。もう芸はおしまいです。凄まじい。2023/07/13
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