PHP新書<br> 逆流するグローバリズム - ギリシャ崩壊、揺らぐ世界秩序

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PHP新書
逆流するグローバリズム - ギリシャ崩壊、揺らぐ世界秩序

  • 著者名:竹森俊平
  • 価格 ¥750(本体¥682)
  • PHP研究所(2015/05発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569825328

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内容説明

ギリシャ問題、ウクライナ危機、中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立……。そのすべてはつながっていた! 2015年1月に急伸左派連合が政権に就いてから、風雲急を告げるギリシャ情勢。国内の「ユーロ」が枯渇し、いわゆる「ユーロ離脱」が現実のものとなりつつある。しかしギリシャ一国が離脱したところで世界経済への影響は軽微、という向きもあるようだ。ギリシャのユーロ離脱を端緒として、グローバリズムは逆流を始める。やがてそれは日本をも巻き込んで、国境を越えた金融取引を消失させ、安全保障環境を不安定化させていく。そもそもなぜ、グローバル化の体現ともいえる共通通貨ユーロは失敗したのか。じつは共通通貨ユーロの構造そのものが、危機の元凶だったのだ。財政統合なき通貨統合がユーロ圏を「つくる国」と「使う国」に分断し、ギリシャに過剰な消費を強いたのである。さらにはギリシャが危機に陥ってからも、EU(欧州連合)、ECB(欧州中央銀行)、IMF(国際通貨基金)からなる「トロイカ」は効果的な支援ができなかった。その背景を探ると、ドイツが過剰なまでにこだわった「非救済条項」の存在が浮かび上がる。そしてギリシャ危機の一方で欧州ではもう一つの危機、つまりウクライナ情勢が緊迫の度合いを深めている。二つの危機は根深いところでつながっており、欧州のみならず、日本にも巨大なインパクトを与える、と竹森氏が語るのはなぜか。一見なんのつながりもないように思われる欧州危機と中国のAIIB設立の関係までも視野に入れながら、ユーロ圏はもちろん、アメリカ、ロシア、IMFなどの思惑を緻密に読み解き、これから日本がとるべき道までを指し示した渾身の一作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

53
世界経済論の権威による最近の情勢を講義調の話し言葉で書かれているもので、ポイントを絞っているのでわかりやすいと思いました。最近のギリシャ情勢を予測している節もあって参考になります。また今中国が進めているAIIBについても若干触れられています。2015/06/21

Porco

6
戦略なく拡大してきたユーロ圏が、ギリシャ危機によって、分断へと転じる可能性が高まってきた。という話で、なぜそうなったのか、各国は何を考えてどう行動しているのか、日本の納税者にどう影響するのか、といったことが解説されていて興味深く読みました。ドイツ人気質についての説明が、読み物としては一番面白かった。2015/06/20

Sato1219

5
最近のギリシアをめぐる報道を見ていると、いかにもならず者国家の瀬戸際外交という印象を抱きがちだが、長いスパンで俯瞰して見ると、また違った様相が見えてくる。また、自分が経済学を勉強していた90年代当時「ホームカントリーバイアス」というのが話題になっていたが、EU統合でそのバイアスが消失したという下りにも驚く。そういえば、敗戦後、石原完爾が、「戦犯はペリーだ」と言った話を思い出す。私たちが自明なこととしている(確かに不可避な流れではある)グローバル化というのは、本当に私たちを幸せにするのだろうか。2015/07/04

soccer atsushi

5
ここ10年ほどて一流の経済学者としての評価を確立した竹森俊平の本を初めて読了、非常に読みやすくて内容も充実している。ジョージソロスのEUはバブルだという評価は面白い。AIIBへの評価も米国の立場にすり寄ることもなく、率直で成る程と思わせる。2015/06/28

mit

4
ドイツは第二次世界大戦後「ルールを守る」ことを最優先してきた。戦後ドイツの基本的な思想である「オルドリベラリズム」は「大衆」を嫌い、「伝統」「文化」の重視に立った社会の発展を志向し、社会秩序には国民が「小市民(プティ・ブルジョア)」的な倫理を持つことが必要とされる。ドイツ国民にとって借金をするのは罪であり、金融やインターネットにアングスト(恐怖感)を感じている。ユーロ危機が長引く一つの原因は、ドイツが小市民的感覚で問題処理してきたことで、危機的状況においてはルールを守らせるだけでないリーダーが必要となる。2015/10/02

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