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内容説明
「謀反人」になるはずのない名将がなぜ、信長を討ったのか?本書は、戦国史研究の第一人者である著者が、本来、名将と称されるべき実績を誇りながら、日本史上最悪の「謀反人」のレッテルを貼られてきた明智光秀の謎に包まれた人物像に迫ったものである。語られざる「金ヶ崎退き口」での武功、「近畿管領」とも称すべき要職への抜擢、本能寺の変前夜の動向…。そこから見えてきた光秀の実像と、本能寺の変の真相とは? なお、「文庫版まえがき」では、ここ数年の研究トピックスや2014年に新発見された「石谷家文書」について語られるなど、研究の最新動向を知ることもでき、光秀と本能寺の変を語る上で必読の書となっている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maito/まいと
16
「本能寺の変」とはなぜここまでミステリーとして今日まで議論されているのか。それは明智光秀の出生や経歴、そして本人の力量への評価が安定しないことに他ならない。敗者として抹消されたのか、それとも史料が本当にないのか。小和田先生が、そもそもの光秀像に迫った一冊。様々な観点から光秀に迫っているが、これでも、光秀像が見えたといっていいかどうか怪しいところ。まあ、光秀が武将として人間として、秀吉と肩を並べる(いや、それ以上の)存在であったことは大分見えてきたかな。その先が本当に知りたいことなのだが、果たして・・・2014/11/19
かっぱねこ
7
明智光秀がなぜ謀反を起こしたのか、その動機について、新説を展開するなど面白かった。終始、押し付けるような断定した書き方ではなく、好感が持てた。他の説も紹介しているので、読み手も歴史考察に参加できる本だと思う。2015/01/15
ひよこ
6
真実が知りたい2020/03/07
とち
4
『麒麟が来る』の視聴がきっかけで手に取る。類書はたくさんあるが、大河の時代考証が小和田先生だったので。光秀は本能寺の変を起こした人、程度の認識しかなかったが、信長からこんなに重用されていたとは。それにしてもこんなにも史料が乏しいとは思わなかった。やはり敗者の歴史は難しいことを再認識。真実がわかる日は来るのだろうか。2021/01/20
Luna Rossa
4
戦国武将の中でも謎多き光秀。謀叛人として不当に低い評価を受けてきたが、実際には文武両面に秀でた有能な武将で、信長家臣団の中では秀吉と並ぶトップクラスの重鎮だった。 真面目で礼儀正しい光秀と、陽気だが品がなく時に平然とハッタリをかます秀吉。正反対の二人を適材適所に配置し競わせる信長の見事な人材戦略。 光秀の若い頃の情報が殆どないのは不自然で、これが天下人に挑んで夢破れた者の運命。歴史は勝者が創るということか。 出世レースの先頭を走っていた光秀がなぜ本能寺の変を起こしたのか、永遠の謎だ。「麒麟が来る」楽しみ。2018/10/21