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内容説明
昭和20(1945)年8月16日、終戦から一夜明けたこの日の朝、松下幸之助は幹部社員たちを一室に集め、次のような趣旨の訓辞をした。「今日の帰結は、明治維新以後、国民が日本精神を忘れていたずらに拝金唯物思想に心酔したからである。眼前の破局は天の啓示であり、真の日本精神を取り戻す絶好の機会と考え、将来の繁栄への基としよう」。このように、松下幸之助の経営の根底には常に「日本精神」という概念が流れていた。本書はその日本精神とは何かについて、「衆知を集める」「主座を保つ」「和を貴ぶ」という三つの視点から論じたもの。日本人に対する深い敬意と愛情を感じさせながら、先人たちが培った伝統精神こそが日本の繁栄をつくりあげた原動力であることを様々な歴史上のエピソードを交えながら語る。宗教学者の山折哲雄氏が「『和魂』は世界に誇る叡智であることを喝破した隠れた名著」と推薦の一文を寄せている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
53
松下幸之助氏が日本と日本人について考えを述べたものが本書である。2019/05/20
mikio
6
やはり、人間を考え、国家、民族を考え、個人を考え、しかもその三つがバランスを保ち、調和している教育を行っていかなければなりません。(P186)2022/05/03
わ!
1
松下幸之助さんの本を読んだのは、これが2冊目になると思います。まさに「啓蒙」という感じのする本ですね。「日本人」の自覚ということに主眼をおいたお話になっていますが、この点「グローバリズム」が台頭した時代に向けての幸之助さんなりのご意見も伺いたかったです。幸之助さんの歴史観が分かったのも面白かったです。日清戦争、日露戦争、第二次世界大戦の解釈は、今までに聞いたことのない分別だったので驚きました。2022/08/23
Porco
1
文系の高等教育を受けてきた人にはいろいろ突っ込みどころがあると思いますが、日本人の一般的な日本史観と合致しているのではないかと思いました。2015/06/24
ヤスタカ
1
私はこの時期松下幸之助さんの本を読みます。就職している会社の創業者であり、5月5日が創業記念日であるからです。この本は憂国の書で素晴らしい本と思います。日本人が養ってきた和魂 精神世界が戦後、失われて いる危機感がひしひしと感じる一冊です。娘に読ませたい秀逸な歴史本です。2015/05/04