内容説明
顔を洗う、布団をたたむ、食事をいただく、掃除をするなど、生活そのものが修行だというのが禅の考え方。自分の外に答えを求めるのではなく、「今ここ」に立ち返り、ただすべきことをする。そうすれば、どうすればいいかわからない……そんな悩みからだって自由になれる。小さな禅寺で自給自足の日々をすごすドイツ人住職が語りかける、カタチにとらわれない禅修行の始め方。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
50
生涯を修行に捧げても宇宙万物果てない禅の世界だから、この一冊で「理解できた」とは恐れ多く口には出来ない。本書を読む事も修行の一環であり「修証一等（しゅしょういっとう）」仏道の実践をしたことになるのだろう。すなわち僅かな時間でも仏になったのだ。三十四項目の禅の教えを、ドイツ人禅僧が説法す。己を“手放し”いざ我が道行く。2014/11/18
SOHSA
39
《購入本》ドイツ人である著者が日本の曹洞宗僧侶となるには相応の懊悩と覚悟があったのだろうが、本書からはそれらを微塵も感じさせることなくただ淡々と禅について説かれていく。読むだけとは言いながら、やはり根本には「実践あるのみ」であることが強調されていく。すべてを、自分自身をも手放すことが果たして自分にできるのだろうか。しかし逡巡する前にまず実践すること。「水をきはめ、そらをきはめてのち、水そらをゆかんと擬する鳥魚あらんは、水にもそらにもみちをうべからず、ところをうべからず。」まさに至言。2021/01/09
ぱんにゃー
36
【日曜版】 この一週間、似ている言葉に「こだわって」みました。 「(世間や常識に)こだわらない」のが禅の入口！ 『その「こだわらない」という「こだわり」さえ捨てるのが、、、、、』 しつこくなるのでやめましょう(笑)／明日からは「比較」を超えた「ありのまま」が書けたらいいなぁと思っています。よろしくお願いします。(＾ω＾)2014/10/19
takeapple
23
師匠と勝手に思っている方に勧められて読んでみた。安泰寺の住職、ネルケ無方師による34の禅語についてのわかりやすい解説。日々修行なのだと思う。読んでみると仏教はキリスト教など一神教と同じ宗教というカテゴリーに括っていいのか益々わからなくなる。哲学や最近流行りのアドラー心理学と通じる部分があるなあと思う。安泰寺に言ってみたいなあ。2017/10/08
mami
20
素晴らしい本。兵庫県安泰寺、ドイツ人ご住職ネルケ無方さんによる仏法。一期一会の解釈に「いつもと同じ」と受け止めてしまうのは自分の心。頭上に広がる空が二度と同じではないように、一瞬一瞬をいのちと捉えて生きるべしと。日々是好日も然り。過去のどの日とも違う今日を最善の一日にすべく生きよ等、静かに深く心へ染み入る内容となっている。いい本に出会えて幸せ。2018/05/11
