内容説明
「平成」の世となって四半世紀。陛下は「天皇として何ができるか」を常に問い続けてこられた。「象徴」の模索、天皇としての孤独、伝統を破る挑戦、年齢との闘い、次世代への戸惑い、家族への愛情、被災者への祈り──。陛下はこうした想いを、驚くほど率直に国民に伝えてきた。25万字にものぼる「おことば」を元皇室担当記者が精読し、その本心と素顔を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
328
今の天皇陛下がどのような意見を述べられていたのかや業績が書かれていて分かりやすかった。天皇という立場と言うのは相当重く重責で定年もない仕事としては大変な事だなと改めて思った。2016/02/24
calaf
17
平成25年を過ぎ、現在の天皇陛下が天皇になってから四半世紀が過ぎたことを機に(?)、これまでの「おことば」を分類して分析し、抜粋して簡単な解説を加えた本。自分には、とてもつとまらないなぁ...私の天皇陛下の印象は、尊敬というのとはちょっと違うけど、、、感謝という感じかな?2014/12/12
鐵太郎
11
今上天皇が公の席で発した言葉を元に、今の天皇がどのような考えを持ち、何を行おうとして、どのようなことを成し遂げたのかを、宮内庁担当記者だった著者が自分の視点でまとめた本。昭和天皇との違い。周囲の人々の心配を振り切る意志の強さ。真摯で剛毅なその心。なるほど、今の天皇はこんな人なのか。昭和帝という人物を1940年代に持てた日本は幸運だったと思っていたけど、昭和後半から平成に時代にかけてこの人物を国家の象徴として持てることも、たぐいまれなる幸運なのかもしれない、と考えさせてくれる本でした。2015/11/28
うろん
10
今上陛下の御言葉とお人柄、寄り添い歩んでこられた皇后さま。皇室は祈りでありたいとの皇后さまの御言葉。両陛下と同じ時代に生きていられる僥倖にただただ感謝するのみです。次代については...2016/08/23
makimakimasa
8
初めて行く新年一般参賀を前に読み始めた。昨年は生前退位意向表明もあったし。国民に心を寄せ共に歩み祈ろうとする天皇の考えがよく分かった。今上天皇は中学1年の時に公布された現行憲法の象徴天皇制につき、自身の立場を相当研究した様だ。憲法の規定する国事行為と、象徴的な公的行為、人知れず行う宮中祭祀(年間30回超)等の私的行為。伝統維持と改革先導、究極の公平性、有言実行、皇后の支え、沖縄や日系人への思いも印象的。大学卒業が国の意向の海外視察で叶わなかったとか、H5年まで赤坂御所から皇居に通勤などは初めて知った。2017/01/07