内容説明
いま売り出し中の精神科医ガースの脳裡からは若い美貌の未亡人ベティのことが一時も離れなかった。そんな彼の診療所にやってきたトウィッグと名乗る警部は、驚くべきことを口にした。ベティはもと売春婦で、恐喝もしている悪女だというのだ。不吉な予感に襲われ、ベティの別荘へと向かったガースが海辺の脱衣小屋の中で見たものは、ベティとうりふたつの女が水着を着たまま絞殺されている姿だった! しかも小屋のまわりには人影もなく、潮の引いた砂浜には足跡とてない……密室トリックの巨匠がエドワード王朝に材をとる歴史本格ミステリ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
**くま**
5
歴史ミステリ。カーの現代物に比べてそれほど古い時代設定ではないため、日本人の私から見ればいつもとあまり変わらない。カーは読みにくい作品が少なくないのですが(もちろん読みやすい作品もたくさんありますよ!)、これもなんだか読みにくくて苦労しました。古い訳のせいか文章も展開も無駄にもたついてる印象で、難しい言葉が使われているわけではないのになかなか頭に入ってこない。ミステリとしては普通かなぁ。新訳が出ればもっと評価が上がるかも。キャラやストーリーがやや横溝っぽい。ルルー「黄色い部屋の謎」のネタバレあり。要注意。2014/02/14
ホームズ
5
恋人の過去を疑う警部に付きまとわれるガース。ガースの患者に対する殺人未遂と恋人の姉の殺害。犯人は意外な人物だったかな(笑)推理の中に『思考機械』と『黄色い部屋の謎』が引用されていたのは面白かった(笑)しかし『黄色い部屋の謎』の方は完全にネタバレしてた(--;)犯人は名前出てたし、密室の謎も………(--;)2008/08/15
kagetrasama-aoi(葵・橘)
3
カーの歴史ミステリ。足跡のトリックは面白かったですが、カーの他の歴史ミステリに比べてロマンス色が薄めで、そこが残念です。時代が20世紀初めなので、剣戟も無いし(≧▽≦)!あと、「黄色い部屋の秘密」と「思考機械」に言及しているのが興味深いです。まあ、カーを読む人なら「黄色~」は既読って前提で書かれているんでしょうが、要注意です。そうそう、フットレル氏はあのタイタニック号に乗っていらしたんですよね。あの頃なんだなぁ……とクリアにイメージ出来ますね。2016/04/27
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
2
☆×3.0…犯人は予想外でしたね。確かに。警察の人なのに警部がまったく役にたたない、と言うか足引っ張っているある意味問題な作品です。2009/09/15
schizophonic
1
密室ネタはやや腰砕けながら、伏線のはり方には巨匠らしさが窺えた。2009/03/03
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