内容説明
アジアの底辺で生きる人びとを描き出す
アフガントラックの絵師の父子、ジャカルタのゲイ娼婦、武器商人に息子をさらわれたイラク人……どん底の生が胸を打つ10の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akinbo511
9
数年前の単行本の文庫化なので、世界情勢が変わってしまっている部分もあるけれど、石井さんらしい、途上国の難民やスラムに住む人たちの個人に寄り添ったレポートで、自分も頑張らなくちゃ!と思わせてくれる。 2015/05/31
yamakujira
4
戦禍を逃れてアフガンからパキスタンに移った父子は郷愁の差から仲違いし、スーダンから病める妹を連れてマレーシアに逃げた兄は密売人となり、ジャカルタでは日本人に捨てられたオカマが老いていく。各国で著者が実際に触れた人びとを活写する10編は、各地の底辺に近い生活なのだろう。同情や憐憫も皆無ではないし、したたかさとかたくましさを伝えなくもないけれど、全体的にたんたんとした描写に答えを得られない著者の若さを感じて好ましい。なにより日本人として恥ずかしい部分が多いのはやるせない。 (★★★☆☆)2022/10/25
はち
4
アジアは発展している、なんて言われるが一皮めくるとこうなのだろう。一番印象に残ったのはアフガニスタンに戻れない親子の隔絶。いずれ日本でも同じことが起こるのだ。2015/05/17
いー
2
アジアが好きでこの10数年旅して来たので、この本を読んで色々考えさせられる、また思い出されることが良くも悪くもありました。しかし最後までタイトルが好きになれなかった‥2016/03/11
STR☆
2
故郷を追われるなどの絶望的な境遇に置かれても、大切なものを捨てず、希望を持って生きる人たち。自分の普段の生き方も考えさせられる。それにしてもこの人、こんな取材というか生活を続けていて、よく生きているな…と思う。2016/02/19