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内容説明
私たちは日々、五感――視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚――からたくさんの情報を得て生きている。中でも視覚は特権的な位置を占め、人間が外界から得る情報の8~9割は視覚に由来すると言われている。では、私たちが最も頼っている視覚という感覚を取り除いてみると、身体は、そして世界の捉え方はどうなるのか――? 視覚障害者との対話から、〈見る〉ことそのものを問い直す、新しい身体論。生物学者・福岡伸一氏推薦。
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行雲斎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
426
発想の変身ができる本です。見えることによって死角ができる。見えない人には死角がなく客観的に三次元的把握をしている。例えば月には表裏があり、私たちには表面を見せてくれているけど、本来は面ではなく球体。人は同じものでもいろんな見方をしている。目という器官が優先されているが、耳で見る、目で聞く、鼻で食べる、口で嗅ぐという感覚はみんなが無意識にやっている能力。それを脳にどう描くのか。…感覚を研ぎ澄ますために情報は邪魔をするときがある。顔や見た目より声や言葉を重視にするという、本来あるべき大切なことを教えてくれる。2021/04/04
けんとまん1007
283
想像できない世界がここにあると感じた。それにしても、人間という不思議な能力の塊を再認識せざるを得ない。五感をふるに活用して・・・というのとも違う世界がある。どう認識し、どう判断しているのか。人は、それぞれ違うということを前提として考えると、いくらかハードルが下がる。お互い様というスタンスがいいのだと思う。2017/06/29
はっせー
235
ゼミの教授からのおすすめ本。めっちゃ面白かった!視覚障害者にフォーカスして話が進められる。私たち健常者は視覚を重視しすぎているためそれ以外の感覚を軽視しまっている。視覚障害者の方は視覚以外の感覚を使い生活している。人によっては楽しんでいると書いてあり驚いている。視覚障害者といって私たちは可哀想だとか気を遣わないといけないものと理解してしまう。しかし障害がある方も人によって千差万別である。それを一括りにするのは本当にいけないことである。視覚がある私たちこそフィルターをかけて見てしまっていることを実感した!2021/04/03
舟江
201
「見えないことは欠落ではなく、脳の内部に新しい扉が開かれること」だという。また、健常者が、障害のある人と接するときに、何かしてあげなければいけない、とくにいろいろな情報を教えてあげなければいけない、と構えてしまうことは良くない。など、考え違いを指摘してくれる本であった。2019/07/16
おたま
187
著者の伊藤亜紗さんは専門は美学だという。しかし、書かれているのは主として視覚障害者の身体論。目の見えない人がいかに世界を把握しているのかということを、「空間」「感覚」「運動」「言葉」等を手掛かりに踏み込んでいく。それが実は健常者の思いもよらない方法によっていたり、逆に健常者の欠落している感覚を照らし出したりする。視覚障害者の、健常者とは異なる(決して足らないのではない)世界の把握の仕方から、私たちの視覚にむしろ支配された狭い世界把握を揺らめかせることを学ぶことができる。そして、新しい関係の構築へと向かう。2021/10/25
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