内容説明
デンマークからドイツに逃れ、ダーウィンの聖書、ルーン文字、ハインリッヒ・ヒトラーの謎を研究するグレイソン・ピアース。ヒマラヤの山中の研究所で、裏切り者の正体を突き止めるために敵と手を結び、ダーウィンの進化論と量子論について意見を戦わせていくペインター・クロウとドクター・リサ・カミングス。だが、本当の恐怖は、南アフリカ共和国シュルシュルウエ・ウンフォロージ動物保護区に存在していた。グレイ、ペインター、リサが南アフリカに集結した時、ナチの残党の研究はすでに最終段階に到達していた。彼らの狙いは何なのか? ペインターの身体を蝕む奇病の治療法はあるのか? ディー・グロッケ<釣鐘>の正体とは何なのか? 残された時間はあとどれくらいあるのか? 全世界にとっての本当の脅威が明らかになる一方で、グレイたちの前にはさらなる大きな疑問が立ちはだかっていた――。量子進化、マックス・プランク、シュレディンガーの猫、ZPE爆弾、零点エネルギー、ホメオボックス遺伝子、知的デザイン説……この小説に記された科学的事実の数々。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
122
チベットとナチの関係はこの手の小説では有名だ。ナチの発明品を隠し持っている集団は? その正体に近づいていく。とうとう敵の本拠地にたどり着いたシグマフォースを遺伝子改良の魔物が襲う。そして登場人物にまたもやツイストが。え?あの人が実は? 量子力学、遺伝子工学、古代文字、それらの謎が収束していくときクライマックスを迎える。 最後まで退屈させないJロリンズの力量は恐るべし。 次の作品まで半年待つのがつらい。
トムトム
54
何も考えずに読めば、ハラハラドキドキ!手に汗握る!ページを繰る手が止まらない!ちょっと考えると、進化・退化という概念がナンセンス。あくまでも変化・変異であって、そこに優劣はない。ナチスの人体実験に正義面して憤っているけれど、原爆も枯葉剤も民間人を巻き込んだ科学実験でしょう?人種に優劣はない、ドイツの優生学思想はおかしい!のではなく、「アメリカ人が優秀に決まってるじゃない」という思想がチラホラ。さすが、白人でキリスト教徒のアメリカ人が一番優秀とか平気で言っちゃう国だ!次作はユダ。読んでみよう!2020/02/11
KAZOO
52
様々な科学的な話が出てきて非常に知的好奇心を満足させてくれる話で自分的にはかなり好みの分野の小説です。インディ・ジョーンズの映画の脚本も書いたということで納得がいきました。最後で大サービスをしてくれるのですが、その神父もまたこの後で出てきたりするのでしょうかね?2014/09/11
キムチ
45
ナチ・アーネンエルベ・ヒムラ-という歴史的存在(巻頭にも事実に基づいてあるとの断り)「釣鐘」に関わり世界3か所でほぼ同時進行で起きるハイパーな展開とシグマの不死身的なアクション。ひょんなことで読み始めた為、当作が初、人物説明を何回も見つつの読書だったが結構ついて行けたし楽しめた。量子論、シュレディンガ―の猫・・久しぶりに耳にし、脳の隅些か興奮。科学が神の手を離れると哲学に収斂していくのかと思いつつ、ナチの所業とその影響が今世紀になってもないとはいえない・・など変に感銘。2014/06/26
翔亀
33
異種格闘技とでもいおうか。ナチスの完成させた科学技術が、世界を滅ぼす新兵器でありかつ新人類を誕生させる、いかに画期的な装置なのかを、量子進化論により科学的に解明する物理/生物/医学の専門家(本当に学術論文があるようだ)。彼/彼女自身が頭脳だけでなく超人的な体力で危機また危機をアクションで突破する。この知+体を兼ね備えているのがこの作家の特徴だ。歴史+物理学+進化論+派手なアクション+恋愛etc何から何まで詰め込んだ面白さ至上主義の、恐らく成功作。ただ面白すぎるのも行き過ぎると疲れることも実感してしまった。2014/07/23
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