内容説明
唯一の実作の手引き書、増補決定版
著者が「初心者向けの手引き書の体裁を取りながら“短詩型表現論”をめざしていた」と語る2007年刊行の『NHK短歌 作歌のヒント』に、短歌の本棚からの解放を呼び掛けた【日常のなかでこそ歌を!】と、伝えるために言わない、という短歌表現の逆説を説いた【短詩型における表現の本質】の二章を加筆。ちょっとしたヒントが歌を格段に進歩させる一冊。歌を作り続けるための珠玉のメッセージも満載。
[内容]
はじめに
新版によせて
第一章 作歌の基本 ものの見方
第二章 形式を使いこなす
第三章 言葉を大切に
第四章 作歌のレトリック
第五章 作歌の上達は歌の〈読み〉から
第六章 継続は力なり
第七章 日常のなかでこそ歌を!
第八章 短詩型における表現の本質
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
191
具体例に沿った貴重なアドバイス。牧水の《ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ秋もかすみのたなびきて居り》の結句「て」の是非は難しいが面白い。また「孫」という言葉を使うと大体において失敗するが、稀に《二度覗くまだも着替えの終わらざりきのろき孫なり目を閉じて待つ》のような成功例もあるという話や、固有名詞の傑作として塚本邦雄の「山川呉服店」シリーズの紹介がよかった。《白き霧ながるる夜の草の園に自転車はほそきつばさ濡れたり》《道化師の沈黙ふかき瞬間に嗚咽したりきわれひとりのみ》…こういう凄い歌に出会えるだけでも愉しい。2021/11/05
双海(ふたみ)
19
今日は病欠。久々にマスクを着用。ふとんでまどろみながら読もうと思ったんだけれど、書いてある内容が素晴らしいヒントだったので眠気が吹っ飛んだ。明日は元気に出勤したい。2019/03/11
てん
13
著者が自ら言うように、これから短歌を詠んでみようという人のためのハウツー本ではない。もちろん、そのような人にも役立つだろうが、どちらかというと短歌を詠む人が少し経験を重ねたときに、壁を感じたときに読む本。私は短歌を詠まないので、著者の言うことを実感としてすべて理解できたとは到底言えないが、どのように短歌を「読ん」だら良いのかのヒントをもらったように思う。短歌は、面白い。2021/10/03
双海(ふたみ)
12
再読。Zoom歌会に参加する前に。2021/04/18
ほうすう
10
言わんとしていることは分かるのです。ただ、その、著者の方とのジェネレーションギャップも感じますし言ってしまえば私はこの作者の方がちょっと苦手かも…。短歌を知るうえで参考になったことがあるのも事実ではあります。2024/09/09