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内容説明
ユダヤ教もキリスト教もイスラームも「たったひとりの神」を持つ宗教である。もとをたどれば同じひとりの神だった。それが「それぞれの神」になったとき、地球の表面が変わった。宗教史のうえでは突発的・変則的であった一神教が、なぜ諸宗教をしのぐまでに発展し、世界の底流となりえたのか――。出発点であるユダヤ教と、そこから枝分かれしたキリスト教とイスラームを視野に入れ、より大きな広がりのなかで一神教の特質を把握する。「聖戦」「不寛容」「平等」「福祉」「契約」などの題材にふれながら、歴史に決定的な影響を与えた三宗教の連環を解き、一神教の光と闇にせまる比較宗教学の入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sa-
6
欧米諸国の文化や社会・歴史は馴染みがある。一方、イスラーム諸国は、流入されてはいても、私には不明だ。ユダヤ教は個人的に関心が高い。今回はイスラームをほんの少しだろうが学ぶことができた。オスマン帝国時代のイスラームのワフクよる、福祉・医療・教育etc.素晴らしい。モスクのわきには「施しの石」が置かれ、少ないが日暮れてにお金を入れていく人、夜明け前に必要なだけもっていく人。。福祉、平等、寛容(と不寛容)。一神教の持つ共通点かもしれない。モハメット・アリの話も興味深い。その信仰に心うたれ、自らを省みさされた。 2014/09/28
sa-
5
欧米諸国の文化や社会・歴史は馴染みがある。一方、イスラーム諸国は、流入されてはいても、私には不明だ。ユダヤ教は個人的に関心が高い。今回はイスラームをほんの少しだろうが学ぶことができた。オスマン帝国時代のイスラームのワフクよる、福祉・医療・教育etc.素晴らしい。モスクのわきには「施しの石」が置かれ、少ないが日暮れてにお金を入れていく人、夜明け前に必要なだけもっていく人。。福祉、平等、寛容(と不寛容)。一神教の持つ共通点かもしれない。モハメット・アリの話も興味深い。その信仰に心うたれ、自らを省みさされた。 2014/09/28
かず
4
一神教というのは一つの真理しか許さない不寛容な宗教。そう捉えていた。しかし、本書でそれぞれの成り立ちを辿ると、同情とは違うかも知れないが、そんな感情を持った。虐げられた民が作り上げた宗教。苦しみから救い上げてくれる神。その神は完全でなければならない。「そうでなければ、我々は未来永劫救われないんだ!」そんな悲痛な叫びが聞こえてくるようだった。だからこそ、自分と同じように苦しんでいる人々には惜しみない愛を与える。それが神の望みだからだ。この本で見方が変わった。登る道は違えど、目指す頂は我々と同じである、と。2014/08/28
袖崎いたる
3
一神教が約縁主義の極地にあるというのが見える。ユダヤ教での妬む神が、我に触れるなとか顔を見たら死ぬとかいったヤバい存在である理由にも繋がってくる。イスラームは一神教の完成形に位置付けられている。本書を読むとキリスト教が半端に見えてしまうかもしれない。ルターの翻訳とかはキリスト教を矮小化してる向きがある。キリストの信からキリストへの信に翻訳したのは、どーなんすかね。2021/06/10
雲をみるひと
3
題名からは固い印象を受けるが、実態は一神教を題材にしたエッセイといった感じ。著名人や代表的な風習も取り上げられており意外と軽く読める。考えてみれば3つの一神教は世界の多くの人のベースとなっているわけで、日本人が一神教の世界観を理解するのに有効なアプローチだと思った。2018/12/03
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