内容説明
天皇皇后両陛下のパラオ共和国御訪問の理由とは?―― じつはパラオは、第一次世界大戦後、大東亜戦争の終戦まで、日本の委任統治領であった。そのため、今でも日用語として「オカネ」「ダイジョウブ」「ベンジョ」「デンワ」「チチバンド(ブラジャーのこと)」「ツカレナオース(ビールを飲むこと)」などの言葉が使われている。さらに大東亜戦争での屈指の激戦地でもある。ことに中川州男大佐率いるペリリュー島守備隊は、侵攻してくる米軍に40パーセントという未曾有の戦闘損害を与えるほどの敢闘をしてみせた。しかも、島民たちは脱出させ、彼らの命も守っている。 この地の日本軍の不撓不屈の戦いぶりは、多くの人々の心を揺さぶった。昭和天皇は毎朝「ペリリューは大丈夫か」と御下問されたといわれるが、実際に11回もの御嘉賞が下賜されているのだ。 このような歴史が、パラオの人々の心の中に深く刻み込まれている。だからこそパラオは、驚くほどの親日国なのである。著者の井上和彦氏は、長年にわたって現地での記念式典に足を運び、日米の元兵士たち・遺族たちの胸を打つ交歓や、現地の方々の日本への思い、そして今も生々しく残る戦跡を克明に記録してきた。著者が撮影した貴重な写真も満載し、国境を越えて多くの人々の胸を打った日本人の真実の姿を伝える、感動の書である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころりんぱ
46
中川州男大佐のドラマ、ペリリュー島戦記、からこの本へ。写真が沢山掲載されていて、戦車や銃砲、トーチカなど、苔むしながらも静かに海辺やジャングルに残っているのを見て、戦闘の激しさを感じる事が出来た。ただ、文章の方はかなり偏っていて、逆に引いてしまった。いろんな意見があるのを知ることは悪いことじゃないと思う。だから右も左も真ん中もいろいろ読んで、話を聞いて、最後は自分の頭で考える。2015/05/24
北本 亜嵐
19
来月、天皇皇后両陛下がパラオを御訪問されるという。この島はかつて日本の委任統治領になり、太平洋戦争では日米両軍の激戦地であった。現地の写真を見るとそこには「生きた歴史」が全てを物語っている。今も日本への親しみを持っている人たちに感謝をせずにはいられない。今回も「静かな感動」をさせて頂きました。2015/03/21
donboo
16
パラオ共和国 第一次世界大戦の戦勝国として国連によりドイツから日本の委任統治領となる。大東亜戦争時には こんな綺麗で小さな島までもが戦火に見舞われ多くの人間が尊い命をかけて戦い亡くなったことに憤りを感じる。多くのカラー写真で紹介される今も残る兵器の残骸がリアルな歴史として目に飛び込んでくる。でも一番印象に残った写真は浜辺で笑う少女の笑顔かな。この子達が笑って過ごせる世界を築き守ることが大切なんだと思う。2015/10/11
Mik.Vicky
10
近隣の護国神社に『英霊は平和の礎』という看板があるが正にそうだと感じた。『いたずらに軍隊を批判し、戦争を非難する者は、平和の価値を知らない人たちである』そう思う。また、当時この地で戦った米兵・日本兵がお互い言葉も交わすこと無く、真の友人のように理解し尊敬し合えるというのは素晴らしい。神社の石碑に記されている太平洋艦隊司令長官CWニミッツ提督の言葉、『諸国から訪れる旅人たちよ、この島を守るために日本軍人がいかに勇敢な愛国心を持って戦い、そして玉砕したかを伝えられよ』かつての敵が語るからこそ重みがある…感謝。2016/02/08
ひじり☆
8
今まで、こんな歴史があったことを日本人として知らなかったことが恥ずかしい…。自分の出来ることとして、この事実を少しでも周りに伝えたいと思った。2015/06/14
-
- 電子書籍
- 新CBT試験に完全対応!運行管理者国家…