内容説明
映画『ライアの祈り』森沢明夫原作小説!
吉永小百合主演映画『ふしぎな岬の物語』原作者としても著名な著者が描く話題映画の原作小説が待望の文庫版を電子化。
縄文時代から豊穣な土地として営みが続けられてきた青森八戸に赴任してきた桃子。バツイチ、35歳で恋に臆病になっている。人数あわせで呼ばれた合コンで出会ったのは、何とも風采のあがらない考古学者だった。彼の誘いで遺跡発掘に目覚めた桃子。古代の人々の、豊かで人間愛に満ちた暮らしを知るうちに、背負ってきた様々な呪縛から解き放たれていく。不器用な二人の思いは成就するのか……。縄文と現代、時を隔てながらも進んでゆく2つの感動物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
242
青森3部作のラストはストーリーが壮大!ただこのストーリー展開は好みがでそうですね。現代と縄文の時空を超え、前世⁉とも思わせる展開に加えてラスト後半の新たな展開も見事というしかないですね。優しさいっぱい、ステキな一文(名言)ありの幸せを感じる森沢明夫作品にあっぱれです。桃子も幸せになれて良かった。クマゴロウさん、しっかり桃子を支えてほしいです。桜ちゃんもいつか幸せになってほしいですね。ちなみに桜ちゃんと、どこまで飲みあえるか一緒に、お酒をとことん飲んでみたいですね。もちろん八戸に行って飲みますよ(笑)2018/04/21
小梅
173
青森3部作、最終作品。縄文時代と現代が交差するファンタジー仕立てですが、さすが森沢明夫さん!泣き所があるある。桃子さんは3部作全部に登場しますが、この作品では主人公です。ラストで涙腺決壊!もう森沢明夫作品好き過ぎて困ります(´∀`*)2017/04/03
kanegon69@凍結中
152
縄文時代、1万年前、気が遠くなるほど遠い昔とリンクする八戸での物語。「津軽百年食堂」「青森ドロップキッカーズ」の二作でいい脇役だった桃子さんが主役となり、前2作では語られなかった辛い過去、心の中の闇、葛藤する姿が切々と描かれていました。一方縄文時代のライアの話もとてもドラマティックな展開にロマンを強く感じずにはいられませんでした!そして、やっぱり森沢さんの話は温かい!今回も泣かされてしまいました!もう、どうしてこんなに温かい物語がかけるのか本当に不思議なぐらいですね。青森三部作全編とおしていい小説でした!2019/12/17
紫綺
114
単行本にて読了。他人に優しくなれる物語。2015/04/13
dr2006
99
青森を舞台とした縄文と現代夫々の時代の話がパラレルに進行、互いの話が伏線となりやがて連鎖するスケールの大きい秀作。環境や時代が違っても幸せ自体は普遍であり、個人が感じること。現代の様に環境によってもたらされた金銭的な裕福は、普遍的な幸せとは言えない。引用略「同じ状況でも自分は幸せだと思える人が幸せで、不幸だと思う人は不幸な人。家族とはその中に一人でも不幸な者がいると皆が不幸になる掟で結ばれた者同士。逆に家族の一人が幸せになるには他の全員も幸せでなければならない」これら幸せの解釈について深く感銘を受けた。2016/05/23