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内容説明
「証言」の真偽という問題は、今も世間の感情を刺激し、「歴史」をめぐる激しい闘争を生み出し続けている。誰一人として歴史から逃れることができない人間が、歴史の支配から自由になることはできるのか。数々の著作を送り出してきた著者が、哲学、文学、映画、精神分析、民俗学など、多彩な分野を縦横無尽に駆け抜けながら、繊細かつ大胆に思考する。今こそ読まれるべき名著が、書き下ろしの新稿を加えて、学術文庫に登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nobi
19
「反歴史」って?と手に取った本。個々の生や死を捨像する非人間的な「歴史」への批判の歴史から説き起こし、それら不定形な概念を紙漉き職人のような繊細さと機敏さとをもって見事に漉いている。が、そこに留まらない。反歴史の行為そのものを問い、対象化とは、対象化する主体とは、対象化を成立させる言語が阻むものは、と殆ど19世紀後半以降の哲学史、その苦闘の過程を辿る。その筆致は熱い。ついには、《<構成されたもの>として思考するのでなく、<構成すべきもの>として、<構成の過程>として思考する》と啓示のような一文に出会った。2015/05/30
∃.狂茶党
9
歴史は、垂直軸や、個人で捉えられがちですが、水平軸や、水面の細波の如きものもあり、ともすれば公の歴史からこぼれ落ちるそれらも、先人たちのどりょくもあり、今日では、歴史と認識されている。 作者はその辺に蟠りが強いのかな。 2022/12/13
kapo54
3
僕が大学受験をしたときの入試問題はこの本だった。(年齢と大学がバレる笑)2016/01/11
朽木孤島
2
思考とそれを脅かすもの、引き裂かれるように間にあるものをとらえつづけること。すべてに両義性があり、つまりすべてに引き裂かれる襞の余地はある。どのように巨大に見えるものでも、微分していけば、裂け目が現れる。2015/12/14
hatohebi
2
なぜ「歴史への抵抗(反歴史)」が生じるのか。筆者は歴史を可能にする国家や社会・均質に流れ出来事の一回性を消去する時間概念・文字の権力性といった「歴史的な思考の枠組み」への抵抗が根底にあるとする。そして反歴史の系譜は「歴史を担うべき別の主体を発見」することに繋がる。2章では対象とペアで生成される主体を解体するような思考が、3章では非連続的な反歴史の有り様が述べられる。ベンヤミンの「停止」の説明はよく分かった。多くの思想家のエッセンスを筆者の言葉で敷衍しており参考になった。2015/08/02




