文春文庫<br> 崖っぷち侍

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文春文庫
崖っぷち侍

  • 著者名:岩井三四二
  • 価格 ¥784(本体¥713)
  • 文藝春秋(2015/04発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167903190

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内容説明

本屋が選ぶ時代小説大賞2014「異国合戦」より面白い!

理不尽な形で主家を滅ぼされた下級武士・金丸強右衛門。戦国から江戸に世の中が変わっても逞しく生きる道を探す新しい武士像を描く!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

リュウジ

8
★4主人公は地方大名の半農半士の下級武士の長。時は戦国末期なのに、ケンカはあってもいくさシーンはほぼゼロ。描かれた物語はその時の天下人の思惑に翻弄されるなか、代々続く家の存続と家来たちの食い扶持をどうするか、ひとり思い悩む主人公の姿。企業存続・雇用確保は今の弱小中小企業オーナーの課題と同じですやん。御屋形様に仕えながら海運事業を本格化させるのも、下請けに甘んじず事業多角化でなんとか生き残ろうとする考え方。そこに事業承継の悩みも加わる。ホント今も昔も変わらない。地べたで懸命に生きる人を描く岩井氏らしい作品。2021/05/08

Yukihiro Nishino

5
戦国から大阪の陣までの、安房の国の武士「強右衛門」一家の物語。勝者の側に立った筈なのに、主家は徐々に所領を削られ遂には取り潰されてしまう。しかし、禄をもらう代わりに命を懸け、気を使う武士の生活から解き放たれ、息子たちもそれぞれ生きていく方向を見いだし幸せそうなラストが印象的であった。この一家は、これから何があっても強かに生きていくのだろう。2015/09/15

yamakujira

4
里見家に仕えた下級武士、金丸強右衛門を主人公にして宮仕えの苦労をえがく。百人衆として里見家を支えると自負しながらも、その実は半農半士で4人の家人を養うのが精一杯の、いわゆる郷士だ。北条家との戦で得た加増も、里見家が秀吉に減封されると没収、さらに父祖伝来の土地も削減されて青息吐息、長男の出世を喜ぶも主家が改易されて万時休す。勤めた会社が大企業に吸収合併されて、部門閉鎖でとうとうリストラって、サラリーマンの悲哀に通じるね。でも、今に譬えれば、帰る故郷がある地方出身者のようで羨ましいかも。 (★★★☆☆)2020/09/14

みどらった

4
戦国から豊臣、そして江戸時代へ。ひとつの小さな武士の家族がこの価値観変動の時代を生き抜く。なにもかもうまく行くわけでもなく、まったく何もうまくいかないわけでもない。ただ、なにがあろうと彼らは力強く生きている。主人公の強右衛門は戦場経験も豊富で肝がすわっている。頼りなかった息子達もいつの間にか成長していく。強右衛門の老いと息子達の成長を見て、こういう風に家というのは続いていったのだなと思った。2015/07/20

Micky

3
崖っぷち、人事では無いので手にとって見た次第。小田原城の攻防から徳川幕府へ入る時期の弱小大名(里見家)の下級武士の時代に翻弄されるお話。 自分の力ではどうにもならない世の中の動き、権力をもつものにいやおうなしに従わざるを得ない姿は、ちと、サラリーマンの悲哀にも似ている。力のある武士だが主家が弱いのが運命と言えばそれまでだ。 だがなんとか苦しいながらしぶとく生きていく姿に救われる。まあなんとかよかったと言えるのかな。2015/04/05

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